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エストニアの会社の決算をしたら意外と大変だった話

わたしは、エストニアという北欧の国にほぼ趣味みたいな規模の会社を持っています。

昨年度、ノリと勢いでつくってしまったのです。
(詳しい経緯は以下の記事にまとめています。)

そんな弊社なのですが、この6月についに決算、年次会計報告書の季節がやってきてしまいました。

「個人事業主だと日本での確定申告もあるし、ダブルで大変じゃない?」と思われるかもしれません。

しかし、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、エストニアは結婚・離婚・不動産取引以外のすべての行政手続きがオンラインで完結する電子国家として有名な国です。

「電子国家というくらいなのだから、口座情報を紐付けたら、勝手になんとなくいい感じにしてくれるのでは?」

という具合にナメてました。

普通に手入力だしそこそこ大変だったので、その戦いの記録をこの記事にまとめたいと思います。

※この記録は、あくまでわたしの一例です。申請内容は、人によって異なります。また、全手順を網羅するものではなく、「困ったこと」を中心に書いています。

この記事は会計素人が申請をするにあたって、めちゃくちゃ調べて記入した結果です。こんなフローで入力していくんだ程度の参考にしてくださると幸いです。

※以下の記事をめちゃめちゃ読み込みました……。感謝……。実際に入力する際は、わたしの記事はそこそこに、こちらを熟読していただくと良いです。

【対応必須!!】年次会計報告書の提出方法を徹底解説
エストニア政府公式ガイド(英語)

法人登記ポータルにログインする

とはいえ、日本の確定申告よりは初心者泣かせではありません。
(税制度があまり複雑ではないからかな……?)

年次会計の報告は、PCからエストニアの法人登記ポータルへログインし、フォームに情報を入力しておこなっていきます。

まずは、e-Residency カード(電子国民用のカードです。日本でいうマイナンバーカードみたいなものですが、居住国民に発行されるカードとは別モノ)をPCで読み込み、法人登記ポータルへログインします。

このログインが実は曲者です。日本でこれ施行したら全国民がブチ切れるレベルで、e-Residency カードでのログイン難易度は高いです。わたしの場合、高頻度でエラーが出てログインできません。

あまりに大変なので、途中でSmart-IDでのログインに切り替えました。

Smart-IDとは、個人を認証するためのスマホアプリです。エストニアが公的に発行しているデジタルIDとアプリのアカウントとを紐づけることで、わざわざカードを持ち歩かなくても、デジタル上で認証手続きを行うことができます。

こちらですんなりログインできるようになりました(前途多難)

年次会計報告書を作成する

年次会計報告書の作成には、ワードやエクセルなどの別ソフトは必要なく、フォームにぽちぽち必要な情報を入力していくだけで済ますことができます。これはありがたいですね。

ログインしたのち、メニューの「Annual Report」をクリックして、書類提出手続きをおこなっていきます。

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フォームのガイダンスに沿って、基本情報(データ入力者の指定、監査人の指定など)を入力していきます。

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公式ガイドに載っていた入力例です

基本情報の入力が完了したら、実際のレポートの作成です。「Filling in reporting forms」というボタンを押して、次のステップに進みます。

どういうフォームが必要かチェック(わたしは「Statement of financial position」「Statement of changes in equity」「Accounting policies」を選択)をつけたのち、その詳細を入力していきます。

まずは「Statements of financial position」のフォームを覗いてみます。たぶん日本の貸借対照表みたいなやつ。入力する数字自体はシンプルで、年度のはじめとおわりの資産、 負債、純資産を入力します。

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「Statements of financial position」の入力画面

わからないな…… 会計の知識がいるやつだ……
(当たり前)(しかし当方会計の知識ゼロ)
(めちゃくちゃシンプルな報告なので、会計の基礎さえ分かっていれば簡単だとは思います。)

会計用語の意味をググりながらポチポチ入力してくれます。ちなみに、「Save」もしくは「Save and calculate totals」を押すとフォームのバリデーションもしてくれます。

「issued capital(発行済資本)」は、最低資本金である 「2500」ユーロを記入しました。しかし、10年間は支払いを保留できる制度があるため、「unpaid capital(未払資本金)」には「-2500」ユーロを入力。

ここさえクリアできれば、その他の書類「Statement of changes in equity」「Accounting policies」は重複項目が多いため、基本的には入力できると思います。

また、それに加えて「Breakdown of sales revenue」を記入する必要もあります。
自分が得たお金がどんな仕事をして得たお金なのか、内訳を入力していきます。仕事の種類は選択式で選べるようになっています。

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「Breakdown of sales revenue」の入力画面

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仕事の種類はいろいろある項目の中から選んで入力

すべて入力し終わったら、レポートへデジタル署名するステップに進みます。

レポートへデジタル署名する

提出前に、e-Residency カードでデジタル署名します。

監査についての項目などに回答したのち、今日の日付を入力して、e-Residency カードをPCに接続し、デジタル署名を行います。(ポータルへのログインはうまくいかないくせに、この署名はすんなりできるの謎だな……)

署名し終わった後、最後の難関「the proposal for profit distribution/loss coverage and the respective resolution」利益分配と損失補填の提案の入力です……。

まず、「unpaid capital(未払資本金)」がある際に、利益になるのか損失補填になるのか分からず、苦戦を強いられることに。

ぐぐったらこの記事と出会ったので、ほぼほぼ記事の指示通りに入力しました。

提出

お疲れさまでした〜〜〜〜!

毎年エストニアは6月末までにこのレポートを提出する必要があります。
会社としての活動がなくても、この報告は必要です(報告がないときのフローは、アレックスさんの記事に手順がまとまっています。)

会計の知識がないので、わたしとして意外と大変でしたが、日本の決算処理よりはシンプルなのではないでしょうか。

もちろん、それなりに会社を運営して利益が出ていたり、人を雇っていたりする場合はプロの会計士に頼んだほうが良いと思いますし、初年度の報告についても、プロに頼むとスムーズに済ませることができそうです。

わたしは動き出しが6月中旬と締め切りギリギリだったので、プロに頼むことができませんでした……。春頃から動き出すのがよいかと思います。

わたしが会社を設立する際にお世話になった SetGoさんでも会計士の斡旋をしてくださるそうなので、ご利用を検討されている方はぜひ問い合わせてみてください。

また、エストニア法人の設立を検討している方は、以下の設立の記事もあわせて参考にしてみてください。

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池澤 あやか

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ソフトウェアエンジニア、ときどきタレントです。テクノロジーとガジェットとDIYが好き。