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アイデア軽視のツケが明暗を分けるコロナ禍でのビジネス

当事者意識のなかったアイデア創出

テクノロジーの進化によって仕事の自働化が急速に行われると言われる中、堅実でミスがない着実な仕事よりも、新しい何かを生み出す創造的な仕事のほうが需要が高まると言われるようになって久しい。しかし、そうは言われても、実際になくなる仕事がでてきたわけではなく、我が事として捉えていた人は少ないのではないだろうか。

新しい何かを考えるアイデアは、起業家や経営幹部、新規事業開発部などの一部の人にだけ重要なことであり、多くの社会人にとっては決められた業務手順を着実に遂行することが重大事象だった。

例えば、「やるべきことをやれば営業は売れる」というのは、どこの現場でも聞かれる言葉だ。しかし、Amazonが登場した後の世界では、多くの小売業にとって「やるべきことをやれば売れる」の論理は崩壊している。破壊的なイノベーションが起きた後は、既存ビジネスに固執していると生き残ることはできない。新しい何かを考え、自分たちのビジネスを変容する必要がある。

このことは経営層だけの話ではなく、現場レベルでも言えることだ。スマートフォンが普及する中、顧客とのコミュニケーションでスマートフォンを活用しない営業は、スマートフォンを使いこなす営業と比べて大きな差が出る。顧客へのリーチ力とコミュニケーションの量に大きな差が出るためだ。顧客との新しいコミュニケーションの取り方をどうすべきか、現場でもアイデアが差をつける。プルデンシャル生命における取組みは好事例だ。

アイデアを出すことが軽視されてきたために、いざ必要となった時に思うように出てこないことが多い。一見、アイデアが重要そうに思える起業家育成の現場でも「アイデアは何でもいいから、とにかく動け」と軽視されてきた。その結果、ユニコーン企業やグローバル市場で存在感を発揮するビジネスが中々生まれていない。


アイデアを出すために予算をつけられるか?

しかし、COVID-19によって様相が大きく変わって来た。テクノロジーによる失業よりも先に、疫病大流行による大失業・閉業時代が来てしまった。元々、経営体力が低下していた企業から倒産が相次ぎ、長期化する事態に上手く適応できなかった企業は業績を大きく落としている。同じ飲食業をみても、まったく売り上げがたっていない企業もあれば、マクドナルドのように逆境を活かして売り上げ増に導いている企業もある。

そのような中、COVID-19における新常態を創り出すために、各自治体でもアイデアが募集されるようになってきた。東京都をはじめとして三重県や熊本市など、アイデア創出を広く求めている。

それでは、COVID-19後を考えた時に、新しいアイデアを生むために最も注力すべき重要な要素とはどのようなものだろうか。その答えは、考えるまでもなく「テクノロジー」分野だろう。新しい生活様式が広まる中、テクノロジーを活用した新しいビジネスの在り方が模索されている。

振り返ってみると、テクノロジーの進展によって社会が変革すると言われていた中で、二の足を踏んでいたのが否応なく踏み切ることになったという分野が多い。教育分野におけるICTの活用、サービス業のデジタル化、テレワークの導入など、COVID-19で注目を集めているサービスのほとんどは目新しいものがない。早いところは5年以上前から積極導入していたテクノロジーばかりだ。そのため、導入のノウハウをもつ組織や企業も多くあり、予算さえつけば一気に普及する下地ができているともいえるだろう。

しかし、残念なことに、新しい何かを生み出すためのテクノロジ―導入に予算を付けようという動きは緩慢だ。筆頭となる日本政府ですらデジタル化関連費は全体の1%程度であり、諸外国に水をあけられている。

民間企業においても、個社では頑張っているものの及第点とは言い難い現状だ。DELLとINTLOOP、IDC Japanという3社から発表された3つの調査を概観してみると、DX推進にかける日本企業の予算は諸外国と比べて積極性に欠ける。注力しているのも、主にテレワークに関連する分野が中心で、新しい何かを生み出すようなイノベーションを感じさせるような分野(ワークフロー自働化やAI活用)への投資は後回しになっている感が否めない。


アイデアを出すために何をするべきか?

COVID-19 は、アイデアを出して環境変化にいち早く適応できた企業や組織は大きな成功を掴み、変化に乗り切れなかった企業や組織が苦境に立たされている。これは日本だけではなく海外でも同様だ。

どうしようもないと思われていた宿泊業も、「ホテルシェルター」というアイデアが救世主となっている。COVID-19 からの防護施設として、自宅以外の場所としてホテルを利活用しようというサービスだ。

まずは、私たちはアイデアが急速に変化する外部環境に適応するための特効薬であるということを認識すべきだ。そして、アイデアを出すための理論を学び、日ごろから訓練をして備えなくてはならない。そのための手法は世の中に溢れている。コーチングを活用することもできるし、デザイン思考や創造的思考を教えている教育機関や研修機関で学ぶこともできる。ひらめき財団という、ビジネスにおけるアイデア出しに専門特化した組織も存在する。

COVID-19 はたしかに災厄だが、この逆境は大成功を掴むための好機にもなり得る。従来のビジネスの常識が一気に崩されたカオス状態にあるためだ。カオスからはイノベーションが起きやすい。是非、アイデアの力で新しい未来を創造して欲しい。そのために役立つツールや手助けしてくれる専門家は世の中に溢れている。できるかできないかは、すべて貴方次第だ。




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大分大学経済学部の講師をしています。採用や育成などのタレントマネジメント、地方創生・地方発ベンチャーなどの話題を中心に取り上げていきます。 ※日経電子版キーオピニオンリーダー ※閲覧者数が増えてきましたので、多様な意見を尊重したく、記事へのコメント返信は控えさせていただきます。

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