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「探究」ってどんな授業?

中高の学校現場ではいま「探究」という言葉が重要なキーワードになっています。
変化の激しい時代の中で生き抜くことができる力を育てるために、暗記やドリルなどに代表される従来型の知識の習得だけではなく「より深く考え、課題について探究する学び」への取り組みが様々な学校で進められています。

例えば、高校生と企業が協力しながらひとつのプロジェクトに取り組んだりする事例などもこうした探究学習のひとつに当てはまります。
(こうした企業と学校が連携するプロジェクト学習についてはまた詳しく別のコラムでまとめたいと思っています。)

探究学習で育まれる力の中には「論理的思考力(筋道立てて考える力)」「批判的思考力(一歩引いて考える力)」「創造力」「コミュニケーション力」など多岐に渡ると言われ、現在では日本のみならず様々な国でこうした力について広く研究がなされています。
(一方で、日本はこうした探究型の授業への取り組みが世界の中で特に遅れているとも言われています。)

身の回りで起こっている様々な問題について、立ち止まって、じっくり考えてみて、友人たちと協働しながら問題を解決しようとする取り組みや学びのかたちが、いま多くの学校や生徒達の間で広がっています。

以前講演を拝聴した料理家の鳥羽周作さん。「料理」や「おいしい」の価値を向上させるため、論理的かつ戦略的に考え、料理と向き合い、多くの人達にその素晴らしさを伝えようとされています。(探究学習のプロセスと相通じるものが伺えます)

最近ではデータサイエンスや、様々な教科を横断しながら取り組んでいく学びも、こうした探究学習の中に取り入れていこうという動きも出てきています。
私が勤務している中高でもこうした探究的な授業は色んな学年で取り組んでいて、私は高校生と一緒に簡単なiPhoneアプリを開発するゼミを立ち上げています。

本校における高校1年生、総合探究での取り組み。ゼミ形式の授業を展開していて、生徒達は1人ひとつテーマを決めて探究学習を進めます。なかには1年間ひたすらコーヒーを淹れ続けて焙煎を極めるなんていうマニアックなゼミも。

大人の私たちが普段職場で取り組んでいるようなプロジェクト型の学びを、学校の授業で取り組むと聞くだけで「なんだか今の中高生は羨ましいなあ」と自分で授業しながらよく思います(笑)

探究学習を通じて生徒達が思いっきり学びを楽しめる体験・環境作りが、今後ますます学校現場にとって大切になると感じます。

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