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日経COMEMO

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日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のリーダーたちが、社会に思うこと、専門領域の知見などを投稿するサービスです。 【noteで投稿されている方へ】 #COMEM … もっと読む
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日経COMEMOはじめての方へ

はじめまして、日経COMEMO(コメモ)運営チームです。 私たちは、日本経済新聞社がnote上で運営している投稿マガジン【日経COMEMO】の運営チームです。現在のメンバーは6名。日経の中で、新規事業にチャレンジする部門として、日々、試行錯誤を繰り返しながら活動しています。 ◇ ◇ ◇ まずは、日経COMEMOについて簡単に自己紹介させてください。 日経COMEMOは、様々な分野から厳選した新しい時代のビジネスリーダーたちから、毎月約200本

イタリアの格付け、春は一安心だが……

イタリアの春の格付け見直しはひとまず、変更なし。堅調な成長環境を見込み(コンセンサス予想でも2024年の成長率は0.6%、2025年同1.1%)、政府の財政目標も概ね達成可能なためで、イタリア国債の利回りも昨年秋以降、大幅に低下している。政府の将来的な利払いの拡大圧力も限定的である。 だが、イタリアの場合、格付け機関が慎重スタンスを継続することは考えておくべきだ。三つある。第一に、スーパーボーナススキームでのもとで、コストが増えたため、対GDP比で見た債務比率動向が改善して

為替との戦いを避けた日銀

「為替市場には付き合わない」は基本 既報の通り、日銀は26日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決めました。事前に注目された国債購入規模の減額に関しても決定も無く、声明文も非常にシンプルな元来の姿に戻りました。円安対策としての金融引き締めを期待した為替市場では円売りが加速し、158円台で越週しています: 今次円安局面に入った2年前から筆者は「投機的な円売りによって円安対策としての引き締めが催促される」というのが最悪の状況だと常々警戒してきました。これは例えば以下のno

奴隷から「七転び八起き」で国を救った男の話

「人生、山あり谷あり」とはよく言ったもので、想定以上にうまくいくこともあれば、絶対に大丈夫だと慎重に堅実に進めていても思わぬ失敗をすることもある。結果としての成功失敗は、必ずしも本人の努力や運だけの問題ではない。 また、失敗しても復活できる者も確かにいる。だからといって、「失敗しても何度も挑戦すべきだ」と簡単に言えない。たった一度の失敗で終わってしまう者もいるからだ。こればかりは統計や確率論では語れない。法則もない。あるのは、その時の本人と周りの環境がどうだったかによって変

すぐに役に立たない学びの価値とはなにか

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。 わたしのコラムでも幾度となく話題にしている「リスキリング」。技術革新や変化の早い世の中だからこそ、自分のスキルを常に磨いていなければ生き残れない。特に日本社会がジョブ型雇用へと移行する中で、ある種の残酷な事実として認識しておく必要があります。 一方で、実行するのはとても苦労するもので、新しいスキルを身につけるための勉強をコツコツと続けられる人は少ないでしょう。または、短期間頑張れたとしても「リスキリング疲れ」とも言える思いがふと頭

サカナクションに学ぶコミュニティ醸成の極意:種火からキャンプファイヤーへ

ライブ会場でファンが一体となる高揚感を感じたことはありますか? 先日、サカナクションのライブに行ってきました。私が参加したサカナクションのライブは、ボーカルの山口一郎さんが体調不良のため、2022年7月から休養を取っていましたが、その後約2年ぶりの全国ツアーの2日目のライブでした。“完全復活”を告げる2年ぶりの全国ツアーはファンにとっても待望であり、始まる前から会場の熱量は高まっていました。 今回のライブ、そしてコロナ禍に入った時からサカナクションがつくってきたファンとの

意味が問われる時代のカラー ーミラノデザインウィークに関するメモ 2

今年のミラノサローネ国際家具見本市を核としたミラノデザインウィークにおいても、素材メーカーの存在感が十分に発揮されていました。その象徴的な事例がKartell x Liberty です。 以下、サローネ会場におけるカルテルのブースです。フィリップ・スタルクがデザインした手前のチェアがリバティ柄になっています。 カルテルは化学者のジュリオ・カステッリなどによって1949年に創業したプラスチックをコアとする雑貨・家具メーカーです。1960年代に成功した後、一時、低迷期を過ごし

「共同親権」は日本にはまだ早いんじゃないかなと思う4つの理由

お疲れさまです、uni'que若宮です。 共同親権が話題ですね。 いや… というか実際は、法制度が変えられようとしている割にはびっくりするくらい話題になってないですね…。メディアでもほとんど取り上げられてすらいない… 署名やパブコメが多く寄せられてもいるのにあまり議論が深まらずに立法プロセスだけが進んでいることに僕の周りでも(主に女性ですが)懸念の声が挙がっています。 個人的な意見としては、共同親権は時期尚早であり、懸念が上がっている中で議論せず法制度を急いで変更する

継続的な学びと好奇心のための生成AI検索ツール&ユニコーン企業、パープレキシティ(Perplexity.ai)

ここ最近の関心事項として何度となく頭の中をよぎるのが、『生成AI ツールやトレンドをどのように継続的に&効率的に学習し続けることができるか?』です。毎週のように新しい生成AIツールのプロダクトがリリースされ、資金調達がなされる中で、ついていくのに大変という方も多いのではないでしょうか? そんな中気になったのが日経新聞に掲載されていた『AI検索の米新興、ソフトバンクと提携 契約者は1年無料』という、生成AI検索スタートアップのパープレキシティ(Perplexity.ai)につ

トランプ氏と為替の考え方~前回教訓を踏まえ~

ドル/円相場は遂に155円を突破し、156円到達を窺う地合いにあります。直接的な原因があったわけではありませんが、日銀会合前ということを踏まえると利上げを催促するような投機的な円売りという可能性もあります。昨年8月のnoteで心配した通りの展開になっているように感じます: なお、止まらない円安相場に関し、約34年ぶりとなっている円の対ドル相場を取り上げたトランプ氏がSNS上に「アメリカにとって大惨事(a total disaster)」と投稿したことが大きく報じられています

カラーはコンセプトの構成要素か?ーミラノデザインウィークに関するメモ 1

「コンセプト」という言葉はよく使われますが、コンセプトが指すイメージには結構、文化差があるものです。 のっけからやや難しいことを言えば、装飾的であることが「単なる外面」のことなのか、装飾こそがコトのエッセンスに投影される「レトリック」なのか。例えば、カラーはコンセプトに付随的なものなのか、カラーは身体感覚の一部にあり、コンセプトそのものを構成するものなのか、というのが今回の記事のテーマです。 4月6-21日の6日間に渡り実施されたミラノサローネ国際家具見本市とデザインウィ

ドル高は世界経済のテーマになるか?

ドル円相場は遂に155円を突破しました。色々な思惑や議論が浮上しているようですが、通貨政策はあくまで政治マターだと思いますので筆者から何かか所感を述べることはいたしません ※今回は時間軸が短く、カレントなテーマでもありますので全文お読み頂けるようしてあります: 「技あり」の日米韓声明 ただ、先週は通貨政策という政治の世界において少し驚きを覚える動きがありました。それはワシントンで4月17日から始まったG20財務相・中央銀行総裁会議にあわせて開催された日米韓財務相会合です。同

「再説明を惜しまない」だけで コミュニケーションが変わる!

10年以上オフィスを持たずフルリモートワークで仕事をしてきたナラティブベースのノウハウをまとめたパターン・ランゲージ『自律的・主体的なコミュニケーション・パターン』から、すぐに実践に移せるコミュニケーションのコツをピックアップしてご紹介していきます! 【コツ2】 再説明を惜しまないメーリングリストやチャットなどで、一度書いたことを省略したり、相手が分かっている、もしくは分かっていなくても、前の文章を探して読み返す前提で話を進めるのは逆に非効率です。 大量のテキストが行き交う

「10倍の夢」が生み出す未来の道しるべ【コミュニティ思考を語ろう②】

 Potage代表、コミュニティ・アクセラレーターの河原あずさです。コミュニティづくりの専門家として、ファンコミュニティづくり、組織づくりのお手伝いをしています。  前回のCOMEMO記事から「コミュニティ思考」について語っています。(あわせて、Voicyで音声コンテンツも公開しているので、もしご興味ありましたらそちらも聴いてみて下さい!)  複雑性を増す現代社会においては、つながりや共感が新たな価値を生み出す原動力となっていることに異を唱える人はあまりいないかと思います