ポピュリズムが選挙などで躍進した場合のクレジットリスクとは

イタリアの同盟や五つ星、ドイツのAfD、フランスの国民連合など、欧州各国でEU懐疑派いわゆるポピュリズム政党が勢力を伸ばしている。こうした勢力がたとえば5月23-26日に予定される欧州議会選挙で得票を伸ばすとすると、欧州のクレジットリスクは高まる方向に行くのだろうか。

世論調査によるとEU市民の重要視するテーマは「移民」と「テロ」の二つの問題となっている。過去これが「経済成長」などとなっていたのと比較すると、EU市民の関心自体がポピュリズム政党の台頭を予感させるものであることは間違いない。フランスやイタリアの極右政党が「ユーロ圏脱退」といった過激なテーゼを幾分和らげたため、これら反体制派に対する市民の支持率が引き続き高いのも確かであるし、極右政党は特定の議題について共闘する可能性も残す。

とはいえ、ここ二年余のブレグジット絡みの英国経済および英国国内の混乱を受けてEU市民のアンチユーロ感情は沈静化しているのではないか。となると、思うよりは、ポピュリズムの台頭が欧州全般の売り材料となるリスクは減少する可能性はある。そう考えると、ポピュリズムがこの先欧州を脅かすかどうかを判断する場合にも、ブレグジットの動向とそれによるネガティブな影響の度合いを冷静に見る必要があろう。


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