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会社の「無駄な会議」はどうすれば減らせるのか

「無駄な会議をなくそう!」
こうした大号令はどの会社でも頻繁に行われます。日系企業だけではありません。僕が以前所属していた外資系企業でも同様でした。では、そもそも「無駄な会議」とはどのような会議なのでしょうか。いや、それ以前に「会議」とはいったい何のために必要なのでしょうか。

1.会議とは

拙書でも会議術について触れていますが、「会議とは、何かを決める場所」です。会社経営とは、決定の連続。どんな商品/サービスを出すべきか、どんな層をターゲットにすべきか、どのエリアに注力して広告費をかけるべきか、どんな組織で営業を進めていくのか……。まだまだ他にも決めなければいけないことはたくさんあります。

こうした内容は広範囲にわたるため、トップの一存では決められません。また、仮に決められたとしても、企業として全員が同じ方向を向くためには、その決定がトップの頭の中にあるだけではダメで、「会議」を通して「会社の決定事項」とし、メンバー全員にしっかりと腹落ちさせることが大切なのです。

2.必要な会議と無駄な会議の線引き

こう考えると会議は必要なのですが。世の中で行われている会議は、こうした「何かを決める会議」だけではありません。

・何かを報告するだけの会議
・問題を机の上に並べて皆で悩むだけの会議
・売上が低い人を詰める会議
……例を挙げればキリがありません。

こうした無駄な会議には、共通することがあります。それは「会議に明確な決定事項がない」ことです。

決めることがなく報告だけでいいのであれば、メールでの資料共有と質問受付でも十分代替できます。それなのに多くの人の時間を拘束するのであれば、「無駄」と言われても仕方ありません。

問題を机の上に並べて皆で悩むだけの会議は、たいてい「自分にいい案はないけど、誰かがいい案を出してくれたらそれに乗ろう」という時間になってしまいます。実際にこの状態で一発逆転ウルトラCが決まるところなんて、ほとんど見たことがありません。少なくとも各自が深く考えた解決策を数案ずつ持ち寄って、そこから最善手を「決める会議」でなければ、前向きな議論はできないでしょう。

部下を詰めるための会議はもってのほか。上司から怒りをぶつけられることで売上が上がった人を、僕はいまだかつて見たことがありません。こうした恐怖政治会議に全員を参加させることは、部下のモチベーションを下げることはあれど、会社に貢献することは何一つないでしょう。

3.無駄な会議を減らし、効率化するために

無駄な会議を減らそうとするなら、トップダウンで上の立場の人から強制的にその流れを作る必要があります。

ただこのとき、多くの人が「各職場でどの会議をなくすべきか考え、実施しろ」というように会議をなくす方向で指示をしてしまいがちです。しかし人はなかなか現状を変えられないものですし、現在その会議も必要だから実施されているわけですから、結局そのアプローチでは、ほとんどの会議がなくならなかったのではないでしょうか。

会議の効率化を進める意味は、企業の視点から見るとコストの削減です。そして、会議にかかっているコストは「時間単価×時間×人数」で計算できます。いきなり会議をなくしてしまうと反発も大きいでしょうから、まずは2時間の会議を1時間に減らす、参加者を部の全員ではなく課長以上など必要最低限にして参加人数を減らすというところからはじめてみてはいかがでしょうか。

特に会議時間の削減は、あっという間に参加者がそのスピードに慣れるようになるため、おススメです。もちろん、会議の終了時間は厳守してくださいね。

4.参考

次の書籍では、こうした業務効率化のための会議術について触れています。ぜひお手に取ってみてください!


最後まで読んでくださって、ありがとうございました! これからも楽しみながら書き続けていきます!