ブロックチェーンの真贋

この記事とおなじぐらい冷静かつ論理的にブロックチェーンのメリットを解く推進派の記事も見たいところである。

https://jp.chibicode.com/blockchain-good-bad/

 推進派の書籍として『ブロックチェーン・レボルーション』(タブスコット他)を読んだが、ここまで論理的になっていない。特に、経済的な格差がブロックチェーンで解決するという主張などは、論理の飛躍を感じる。

 新技術ということでは、ディープラーニングに関する議論も賛否両論ある(最近は大分落ちついた印象である)。多くの反論は、ディープラーニングでできることは、既存技術でもできることが多く、むしろ既存技術の方が優れている場合も多い、という主張であった。

 これはこれで的確な指摘なのだが、様々なケースに統一的な手法で取り組めるという点が、実はディープラーニングの利点になっている。従来は、問題毎に沢山の既存手法を勉強し、応用する必要があった。

 ディープラーニングでは、体力はいるが、バックプロパゲーションと確率勾配法という(高度な数学の知識がなくともわかる)簡単な原理だけなので、理解は簡単で、あとは精度を追求するときには、余計なことは考えずに、ともかくパラメータを振ってチューニングするとそこそこの結果が得られる。この利点は、冷静かつ論理的であり、実際上も意外に重要である。そして、多様な既存手法をよく知っている既存の専門家にはとりにくい立ち位置と論法でもあった。

 このように技術の評価には、論者の立ち位置によって取りやすい論理ととりにくい論理がある。ブロックチェーンについてもいろいろと見てみたいものである。

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