定期的にある界隈では「九州叩き」というか「九州は男尊女卑」というのが盛り上がるのだが…

人間には「水が合わない」ということもあるので、その土地柄が嫌なら出て行けばいいだけだから勝手にすればいいし、「自分が出て行ったからには相応の理由がある」としたがるのもまた人間の正常性バイアスなので、まあ仕方ないとは思うが、だからといって、「私だけが正しく」て、その正しい私が出て行かざるを得なかった「九州は全部クソ」と言い放つのも、まあ中学生くらいまでにしとけと思うわけです。

九州が男尊女卑なのかは果たして客観的なデータでもあるの？あるなら提示してみてほしい。感情論ではなく。

ちなみに、定期的にデータ公開している株式会社ブランド総合研究所による都道府県別幸福度ランキング2024によれば、九州各県は、2位大分、3位宮崎、6位鹿児島などベスト10に3県が入り、そのほかも、15位佐賀、18位長崎、21位熊本、33位福岡と概ね全体の上位層に集中している。

まあ、この幸福度っていう抽象的なものだけを別に絶対視しないが、今の段階で出生率が唯一高いのも九州地方であることも事実。

子どもが産まれるってことは、それは幸福度とも関係するし、人とのつながりの良好さも示すものであり、そもそも本当に男尊女卑なら結婚もしないんじゃねえの？と思うわけです。

勿論、九州の空気が嫌で出て行く人も当然いるだろうが、それは別に九州に限らずどこの地方にもいるだろう。

人口流出の話題でよく「地元から出て行った人」の意見を聞いたりするが、それ自体は否定しないが、嫌で出て行った人だけ聞いてそれでいいのか？って話でもある。出て行く割合より残る割合の方が圧倒的に多いわけで、聞くんなら「好きで残った人」の意見こそちゃんと聞くべきだろう。

ぶっちゃけ「嫌で出て行った人の意見」を知り入れて、そこを万が一解決したとしても「出て行く人」は減らないよ。また別の嫌なところを見つけて出て行くだけだから。というより、最初に「出て行きたい」ありきなので、あんまりその理由は参考にならない。
それよりも、残った人たちに「どうすればもっと良くなるか」を議論して少しずつでも改善した方がいい。

要は、地方は、若い人が出て行くことを止めるようなことはしない方がいい。したって出て行く。そうじゃなくて、残った若者に地元は何ができるかを考えていくべきだろう。

間違っても、東京から単価の高いコンサル呼んで企画書作ってもらって「なんかやった感」に公金使うのはやめた方がいい。そんなの一文の価値もない。

そういう意味で田園都市構想なんちゃらで、東京の使えねえコンサルや定年退職後の教授や定年間際の広告代理店のおっさんなんかを派遣しているけど本当に意味ない…というか新手の天下り利権でしかない。

つまり、地方創生は利権なんですよ。

石破首相はどうあっても地方創生をやりたがっているようだが、かつての盟友片山元鳥取知事の意見を素直に取り入れた方がいいよ。

それはさておき、九州の男尊女卑の話題でいつも引き合いに出されるのが、ジェンダーギャップなんたらという指標だが、あんなもの政治家の数が男女同一とか管理職の数が男女同一とか賃金が男女同一という「すべて同一」みたいなことをベースに掲げているから本当に無意味。

全員が統一規格のロボットみたいに同一であることがそんなに目指すべき方向なのかい、と。誰かができないことを誰かが補うからこその社会なんじゃないの？仕事でも家庭生活でも。全員が一緒の方が薄気味悪い。

ところで、内閣府の男女共同参画がまとめた都道県別の管理的職業の女性割合を見たら、おもしろい結果だった。

九州（だけじゃなく西日本全般）はむしろ女性の管理職が東日本に比べて多い。女性活躍してるじゃん。

冒頭のXの投稿は「九州では女性も働かされるのが嫌だから」出て行くのかね？

そもそも日本はずっと男尊女卑だったのか？ってことには歴史的知見を持ってメタ認知した方がいい。男尊女卑は西洋の思想。