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未来人材ビジョン ~2030年、2050年の未来を見据えて~

今年5月に公表された未来人材ビジョンの話が、数か月前にネットで話題になっていた。実は私もその未来人材会議の委員だったので、そのご縁で、光栄にも未来人材ビジョンを題材としたパネルディスカッションなどにも、登壇させていただく機会が、現在もちらほらある。

未来人材ビジョンテーマのパネルディスカッション

その中で、先日(10月25日)NewsPicksが仕掛けた丸の内のビジネスフェス「CHANGE to HOPE」のパネルディスカッション、経産省「未来人材ビジョン」メンバーと紐解く 日本企業と、あなた自身の「伸びしろ」とは?に、パネリストとして出させていただく機会を得た。麻生要一さんモデレーターのもと、未来人材会議座長の柳川範之先生と、企業変革のプロ鳥海裕乃さんとご一緒させていただいた。
その時のお話はオフレコで、後日、当日の一部は、年明け発売予定のNewsPicksの雑誌、Ambitions Vol.2で記事化されるとのことなので、当日の内容は割愛するが、いろいろ思い出したこともあるので、改めてNoteに記しておこうと考えた。

未来人材会議とは


未来人材会議の提言は未来人材ビジョンという形でUPされている。
その資料が示す日本の未来の暗さが各方面でささやかれているが、実はその資料はディスカッションの前提条件に過ぎず、それをもとにどうすべきかが話し合われた。
すでに全5回の会議が終わっており、議事録ともに下記のリンクにアップされている。それぞれの議事録もあるのでご興味ある方はお読みいただけると嬉しい。

政府の有識者会議というと、方向性がある程度見えている中で、参加メンバーが意見を述べるパターンが多いという勝手な印象を持っていたが、この会議は全く違った。毎週様々なゲストの方の取り組みをお伺いしたうえで、会議のメンバーは、時間いっぱい歯に衣着せぬ発言をマシンガンのように話す。何とも自由闊達に意見交換が行われ、アウトプットも当初の仮説からドラスティックに変化していくという非常に面白い会議であった。

私は、スタートアップ、理系、博士、女性という属性から意見を述べていた。

未来人材ビジョン(中間とりまとめ案)


この中間とりまとめ案は、下記のリンクにある。https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/mirai_jinzai/pdf/005_03_00.pdf

2030年、2050年の未来を見据える

そもそもの設立の趣旨は、2030 年、2050 年の未来を見据え、産学官が目指すべき人材育成の大きな絵姿を示すとともに、採用・雇用から教育に至る幅広い政策課題に関する検討を実施するためである。

デジタル化の加速度的な進展と、「脱炭素」の世界的な潮流は、これまでの
産業構造を抜本的に変革するだけではなく、労働需要のあり方にも根源的な
変化をもたらすことが予想される。
・今後、知的創造作業に付加価値の重心が本格移行する中で、日本企業の競争力をこれまで支えてきたと信じられ、現場でも教え込まれてきた人的な能
力・特性とは根本的に異なる要素が求められていくことも想定される。
・日本企業の産業競争力や従業員エンゲージメントの低迷が深刻化する中、グローバル競争を戦う日本企業は、この事実を直視し、必要とされる具体的な人材スキルや能力を把握し、シグナルとして発することができているか。そして、教育機関はそれを機敏に感知し、時代が求める人材育成を行えているのか。
・かかる問題意識の下、2030 年、2050 年の未来を見据え、産学官が目指すべき人材育成の大きな絵姿を示すとともに、採用・雇用から教育に至る幅広い政策課題に関する検討を実施するため、「未来人材会議」を設置する。

資料2 未来人材会議の設置についてhttps://www.meti.go.jp/shingikai/economy/mirai_jinzai/pdf/001_02_00.pdf
  

「旧来の日本型雇用システムからの転換」と「好きなことに夢中になれる教育への転換」

各委員が好き放題発言し、それをまとめるのに経産省の方々が大変苦労したであろうアウトプット。(本当にお疲れ様でした!そしてありがとうございました。)
各方面でいろいろな議論を生み、引き続きディスカッションなどが行われていること、末席にいた身としては大変うれしい。

次の社会を形作る若い世代に、これから必要とされる能力として記載されていたのは、
「常識や前提にとらわれず、ゼロからイチを生み出す能力」
「夢中を手放さず一つのことを掘り下げていく姿勢」
グローバルな社会課題を解決する意欲」
多様性を受容他者と協働する能力」など。
こういった人材をどう育てていくかという個別具体策はまだまだこれから論じられるのだが、これができる人材は、本当に貴重であろう。

こういう人材が、出る杭といわれずに受け入れられ、活躍できる社会になるように自分にできることは何か、またこういった人材を増やすために企業として何ができるか、個人として何ができるか、まだまだこれからやるべきことが多々あるなあと改めて思った。


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