先手必勝-メイ首相は11日の協定案に対する下院投票につき、どうせ投票しても負けると踏むや否や、採決延期を決定。決定直後には、離脱協定維持のために、オランダ、ドイツ、ベルギーを訪問し、首脳との会談に奔走。なかなか素早い対応である。

死中求勝-絶望的な状況にあっても、生き延びる道を探すことを言う。保守党内から不信任動議を受け易くなっていたメイ首相は、すでに不信任投票を受けた。不信任に投じた議員は100人以上になり、保守党内でのメイ首相の立ち位置はかなり微妙ではあるが、兎にも角にも1年間は不信任決議案が提出されないことは確かとなった。言うなれば、時間的猶予を確保した、ということになる。

改頭換面-表面だけは改まったように見えても、内容は変わらないことを指す。ブレグジットの問題は、イギリスとEUの間の問題に見えて、実はイギリス内の離脱派と残留派による国内問題。メイ首相の立ち位置が微妙なまま、延命措置だけは出来たとしても、根本的な問題は残念ながら変わらない。

予定調和-決断を先送りする猶予を更に得るためには、来年3月30日0:00分に迫った離脱予定をまず、いくらか先送りする必要がある。しかし、いずれにせよ、空費する時間が増えれば、ハードブレグジットを回避するためにも、離脱予定の先送り、が現実的かつ予定調和の結論に見えてくる、ということである。


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