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"コミュニティ"という言葉の認識ズレてませんか?

私は、Peatixというイベント・コミュニティ管理サービスを運営する中の人なのですが、2011年の創業の頃から数多くの「コミュニティ」を運営している方々とお会いし、サポートしてきました。もっとも、創業当時はまだ「コミュニティ」という言葉はそこまで浸透しておらず、社内でも「草の根の活動」というような表現をしていたと記憶しております。

ここ数年の流れでいうと、「コミュニティ」という言葉はかなり定着し、ビジネスの世界においても「コミュニティマネージャー」という職種が生まれ、「コミュニティマーケティング」というアプローチにも注目が集まるようになりました。

私自身も、この春(5月中旬予定)にダイヤモンド社から「コミュニティ思考」に関連する本をコミュニティアクセラレーターの河原あずさんと共著で出版することとなり、これまでの活動を振り返り、コミュニティづくりとは何なのかを整理するタイミングを迎えております。そのような折にCOMEMOに寄稿させていただくことになり、折角ですので、その内容もこちらでも少しずつ出して行ければと思います。

バラバラのコミュニティの定義

私は仕事柄、ビジネス系から地域系、趣味に関連するものまでかなり幅広い"コミュニティ"に関わる方にお会いする機会があります。そんな中、以前より1つのことが気になっておりました。お話させていただく皆さまが使う"コミュニティ"という言葉の定義がバラバラなのです。

「様々なジャンルのコミュニティがあるのだから、そんなことは当たり前じゃないか」

と思われるかも知れません。世の中には多種多様なジャンルのコミュニティがあるという観点ではその通りです。

ただし、私が気になっているのは、ビジネス系のコミュニティに関わる方々の言葉の揺れなのです。例えば、社内で自社サービスの「ユーザーコミュニティ」を醸成しようというプロジェクトが立ち上がった際に、担当者や上司、他チームのメンバー間でのコミュニケーションにおいて、「コミュニティ」という言葉の定義がバラバラの場合、どういうことが起こるでしょうか?

「そのようなコミュニティをつくる話じゃなかったはずだ」「このコミュニティ運営の目的は何だっったっけ?」「イベントやることが目的だったっけ?」
など、議論が起き、プロジェクトが途中で止まってしまう可能性もあります。

そのようなことにならないよう、コミュニティを醸成する際は、最初に今向き合う「コミュニティ」の定義が何なのか関係者同士ですり合わせることが大切なのです。

コミュニティの4つの属性

"コミュニティ"をwikipediaで調べてみるとこんなことが書かれてます。

コミュニティ(英語:community):英語で「共同体」を意味する語に由来。同じ地域に居住して利害を共にし、政治・経済・風俗などにおいて深く結びついている人々の集まり(社会)のこと(地域共同体)。日本語では「地域共同体」が「地域社会」をも意味し得うるため、転じて国際的な連帯やインターネット上の集まりなども「共同体」あるいは「コミュニティ」と呼ばれる(例:欧州共同体、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体、アフリカ連合、米州機構、東アジア共同体(計画中)、国際航空通信共同体)。地域の共同体であることよりも地域住民の相互性を強調する場合、地域コミュニティとカタカナ表記する場合も多い。

実際、"コミュニティ"と聞いてどんなコミュニティを思いつきますか?個人的には、大きく分けると下記の4つの属性に分かれると考えてます。

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コミュニティの4つの属性
- 地域コミュニティ
: お祭りや町内会など地域の集まり
- テーマコミュニティ : 趣味や特定のテーマの集まり
- インターネットコミュニティ: SNSなどオンライン上の集まり
- ビジネスコミュニティ:ビジネスの事業・サービスのファンの集まり

このように"コミュニティ"には様々な属性があります。普段、コミュニティについて話す時に、イメージしている"コミュニティ"の属性が人によって異なる為、話が合わないことが多く発生するのです。ビジネス系のコミュニティに関わったことがない担当者が自社のユーザーコミュニティを醸成する際に、普段自分自身が関わっている地域コミュニティやテーマコミュニティの視点でコミュニティ醸成を進めてしまうと"ズレ"が発生してしまうのです。

まずは、自分自身が関わるコミュニティがどの属性なのかを把握しましょう。

こちらのnoteでは、基本的にビジネスコミュニティのトピックを中心に書いていこうと考えてます。そのビジネスコミュニティについて考えていく上で、今回はコミュニティの変遷について簡単に振り返りたいと思います。(出版予定の「コミュニティ思考(仮)」で更に詳しくご説明する予定です)

コミュニティの変遷

最初のコミュニティ :「ムラ・コミュニティ」
ムラ・コミュニティは「家族」や「宗教」を規範とした集団で、血縁や地縁を元にした強い関係性がそこには存在します。「ムラ・コミュニティ」を軸とした地域コミュニティは人々の生活の基盤となり、現在でも地域社会の安全などに寄与してます。に重要なものとして、現在でも根付いてます。

2つ目のコミュニティ : 「都市コミュニティ」
産業革命以降、ムラを出た人々が「都市」を形成していき、ご近所付き合い的な近代的なコミュニティを形成していきます。都市コミュニティでは、ムラ・コミュニティの血縁的強さほどではない緩やかな関係を構築していきました。

3つ目のコミュニティ :「問題解決型コミュニティ」
インターネットやソーシャルメディア時代以降、コミュニティは更なる変化を遂げていきます。個々が持つ課題を共有しやすくなったことで、同じ問題意識を持つ人々で集まり、課題解決に取り組む問題解決型コミュニティです。特に日本では、東日本大震災以降、震災復興や、地域の新しいつながりづくりを目的とした問題解決型コミュニティが多数登場しました。

現在のコミュニティ :「コミュニティ思考ベースの集まり」
ムラ・コミュニティ、都市コミュニティ、問題解決型コミュニティは今でもしっかり社会に根差し、人々の生活を支えてますが、最近では、新しいコミュニティの形が生まれています。それはより「個人」の想いに起点を置いた
「コミュニティ思考」をベースにした集まりです。(コミュニティ思考については、また別途noteで詳しく書いていこうと思います。)
このコミュニティ思考ベースの集まりにおける行動の動機は、問題解決コミュニティが外的動機であることに対して、「自分は、これをやりたい!これをやれば世の中がきっと良くなる!」という内的動機によって成立するコミュニティです。

このように長い時間を掛けて、コミュニティは世の中の動きに合わせ変遷し、様々な型が生まれたのです。そしてそれぞれのコミュニティの型は今もしっかりと根差しているのです。
その中で、ビジネスコミュニティを醸成していく上では、現在のコミュニティ「コミュニティ思考ベースの集まり」を意識したコミュニティづくりをオススメします。

今回のnoteでは、
ビジネスコミュニティを醸成する際には、関わるコミュニティの属性を関係者でしっかりと共有した上でプロジェクトを進めていくことが大切である
ことをお伝えしました。

今後、「コミュニティ思考」というアプローチをどのようにビジネスコミュニティに活かしていくのか書いていきたいと思います。





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