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物流2024年問題に直面し加速する自動化の流れ

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

どの業界においても人手不足という声が聞こえてきます。本コラムでも度々触れている介護の担い手不足が本格化する2025年問題もそうですし、最低賃金アップの議論もこの問題への対応策の一つです。今年から始まった新たな規制強化に、トラック運転手の時間外労働制限があります。いわゆる、物流2024年問題と言われていますが、特に長距離トラックに影響を与えると見込まれており、各社とも運行間隔を減らすなどの対応を迫られています。

物流2024年問題 2024年4月からトラック運転手の時間外労働が規制強化されることに伴い生じる問題。1カ月の時間外労働の上限は平均80時間に制限される。現行基準の残業上限から19時間短縮する計算で、東京―大阪間の往復輸送時間に相当する。事業者は運行本数を減らすかドライバーを増やす必要があり、最大4割が倒産・廃業するとの見方もある。

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このような流れの中で、テクノロジーによってこの問題を解決しようという取り組みも加速しています。その中でも高速道路における自動運転の実現は様々な可能性を秘めるソリューションでしょう。

総務省は2025年秋にも自動運転の実現に向けた通信実証を実施する。新東名高速道路の一部区間を活用して実施し、車載機器や自動車メーカー、中日本高速道路などの参画を見込む。26年度以降も他の地域で実証を進め、自動運転の実現を後押しする方針だ。

9日に国土交通省、警察庁と合同で開く有識者会議で具体的な実施計画を示す。実証では道路沿いに設置した基地局と自動車に搭載した機器を通信させる。標識や落下物などの情報を共有するシステムを構築して、本線合流や車線変更、落下物の検知を円滑にできるかなどを確かめる。

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自動運転に移行することで、複数のトラックを近距離等間隔で隊列運行するようなことも可能になります。一部シミュレーションによると、空気抵抗が減ることで温暖化ガスが5.1%削減できるという研究もあり(香港理工大学)、運転手不足と環境負荷の問題に対応できそうです。

世界的にも研究開発が盛んな分野のため、革新的な技術・ソリューションはグローバルで活用されることでしょう。AI投資を大胆に行っているソフトバンクグループは、関連特許の4割以上が物流関連と言われています。

完全自動倉庫と幹線道路間をつなぐ自動運転トラックが接続されれば、今後の需要増と人手不足とのギャップを埋める強力な手段となりそうです。

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タイトル画像提供:imageteam / PIXTA(ピクスタ)


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