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インドのスタートアップが担う、アジアの未来

「アジアの未来」は1995年から毎年開催されている国際会議で、アジア地域各国の首脳やビジネスリーダーが域内の問題やアジアの役割について、意見交換を行います。2021年は5月20日、21日に開催され、私は主にインドのスタートアップに関して議論されたセッションを拝聴しました。

登壇者の1人目は、日本を代表するインターネットベンチャーのネットプライスの初代社長を務め、最年少で経団連に入会した経歴の佐藤輝英氏。佐藤さんは、現在新たに創業されたBEENEXT社で、インドや東南アジアを対象とした投資事業に注力され、この5年間で投資したスタートアップの数は200社を超えています。間違いなく、佐藤さんはアジアのスタートアップを知り尽くした方です。

登壇者の2人目は、インドのスタートアップを代表するオヨホテルズアンドホームズ創業者兼最高経営責任者のリテシュ・アガルワル氏です。オヨはホテル経営にデジタル革命を持ち込み、創業から6年で売上1000億円規模の事業を構築し、インドのスタートアップ経済を牽引しています。

インドでは想像以上にスタートアップが勃興している

インドではリープフロッグもあり、デジタル化が急速に進んでいます。また、14億人に迫る巨大な人口に基づく巨大な市場を有しています。

報道では、インドのコロナ感染の酷さが喧伝されますが、この環境にあってもインドでは、ユニコーン企業の数が増えています。

この記事にもある通り、日本には5社しか存在していないのに、インドには31社も存在しています。ユニコーン企業は10年後、20年後の経済を担うことが期待される存在です。

ユニコーン企業の数からも、未来のインド経済に希望を感じることができます。

コロナ禍で見られるスタートアップの強靭性

少なくない感染者と死亡者が出ているインドにおいて、ホテルの宿泊需要は激減し、オヨも例外なく打撃を受けています。しかし、空いているホテルの部屋を活用して自宅へ帰宅できない医療関係者を支援したり、観光者ではなく地元住民へのホテル利用を促すなど、できる限りの対応を行いつつ、この危機を乗り越えようとしています。

また、医療機関のキャパシティがひっ迫する中で、デジタルを活用したオンライン診療が伸びてきており、サービスを提供しているスタートアップが存在感を増しています。コロナ禍で加速するデジタル化の波を、多くの起業家は好機と捉え、挑戦をしようという機運が高まっているそうです。

そして、特筆すべきは起業家やそれを支える投資家たちのコミュニティの存在です。100社に及ぶ企業が集まり、コロナ禍に打ち勝つために、資源とアイデアを持ち寄り、課題解決に力を合わせていることがわかります。

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こういった取り組みは、コロナ後にも継続され、インド社会が抱える課題を若い企業群が解決していく未来につながっていくことが期待されています。

インドが、今後のアジアの未来において、存在感を増していくことが感じられるセッションでした。

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