見出し画像

Huaweiの次女はとてつもないポテンシャルを秘めている!新たな炎上マーケティング事例

日本でも炎上マーケティングは度々話題になりますが、多くはネット芸人やYoutuberによるもので、企業はリスクを犯さずの場合が多いかと思います。

一方の中国。大手企業が炎上をうまく利用して販促やプロモーションに活用する例がたくさんあります。最近Huaweiの令嬢が絡んだ事例が非常に印象深かったので共有したいと思います。

まずは炎上の経緯から。

ご存じHuaweiのCEOである任氏には二人の娘がいます。年上の孟晩舟さんは現在HuaweiのCFOを担当。アメリカ合衆国連邦政府の要請により、対イラン経済制裁に違反して金融機関を不正操作した容疑で2018年12月1日にカナダ政府がカナダ国内で逮捕したことは皆さんも記憶に新しいかと思います。

やっとカナダから帰国されたときに孟さんは国内では盛大な歓迎がありました。

(画像:百度から)

彼女の逮捕については、多くの中国人が中米経済競争の犠牲だと理解しています。彼女はある意味では国のために戦った、と考えられているので好意的な意見が多数。いずれにせよ、多くの中国人の注目を集めています。

一方で、妹の姚安娜さんはお姉さんと26歳の差があり、Huaweiがすでに立派な企業となってから任氏の再婚相手との間の子供。小さい頃から英才教育を受けて、いい成績でハーバード大学のコンピュータサイエンス専攻に入って無事に卒業して帰国。みんなHuaweiに入社すると思ってました。

ちなみに彼女の本名「姚思為」の思為という名前はHUAWEIのことを思ってるとの意味です。本人は迷惑だったかもですが、「絶対HUAWEIに入って力を発揮するだろう」と期待されていたなか、なんとまさかの芸能界デビュー。そして今のところめちゃくちゃ不評です。

いや、本人の希望でやりたいことをやることは素晴らしいと思います。きっとキャリアについてプレッシャーが凄かったでしょう。ただ、小さい頃からバレーを学んでそこそこの賞も取ったとの記事くらいは読んだことがありましたが、「失礼ながら見た目からもちょっと向いてないんじゃ…」とボクも含めて思うネットユーザーも多い。

(画像:百度から)

その不評は本人もよくわかっていて、デビュードキュメンタリー動画では「なんでみんな姉さんのことが好きで、私のこと好きじゃないんですか」との一言。これはとても話題となりました。

(画像:百度から)

そしてつい先日、姚さんが主演するドラマが上映され全ネットで総ツッコミの嵐。とんでもないバズりぶりでした。

コメントを一部抜粋してくると

(画像:Zhihuから)

-1日中(資本家のために働いて)疲れて帰宅して動画見たら、そこでは資本家の子供を見なければならないなんて
-見苦しい、イライラする。第二姫のセリフも演技も成長なし。どうしても芸能界じゃないとだめなの?
-HUAWEIはあんなに立派な企業なのに、彼女に勤まる仕事はひとつもないの?

女性刑事を演じる彼女は銃を持って犯人探しをする演技をしていたのですが、あまりにも現実味がなく、どう見てもPUBGの実写にしか見えないと話題に。激バズりゆえ、表情包と真似動画が次々と出てきます。

(画像:360docから)

↑話題のシーン

(画像:Weiboから)

↑これも話題のシーンの一つで、土器に敵が隠れているかどうかって一目瞭然のはずなのに三つの方向を確認するのが大ウケ。全く現実味がなく、「まだゲーム操作に不慣れではないですか」とのツッコミが爆発。「オンライン?チャットしようぜ」との表情包になりました。他にもイジられスタンプで

(画像:百度から)

↑「当たった、へへ」

(画像:Weiboから)

↑「撃ち殺すぞ」(いくらバズりたいとはいえもう少し良い写真選ぶべきではと思いました)

これがショート動画の達人たちの二次創作にも活用されもはや国民的認知に発展しています

(画像:360docから)

実演したら意外と難しかったとのコメントも

炎上したわけですが、HUAWEIの第二姫だけのことはあり器は広い。「批判もツッコミも全部受け止める」とWeiboで公言しました。すると次にまさかの展開が!なんとPUBGからの広告依頼が到来。

(画像:百度から)

こちらの動画、もしアクセスできればぜひ見てみてください。結構いい作りでドラマの中よりも随分綺麗です↓

(画像:360docから)

もちろん、そっくりと言われるオフィシャル動きのリリースです。このキャラはガチャ引いても欲しい

(画像:PUBGのオフィシャルWeiboから)

また、HUAWEI繋がりで、キャンペーンに参加すれば抽選でHUAWEIのスマホがもらえます。(機種と台数的にはHUAWEIがオファーしてるものではなく、PUBGのマーケティング経費で買ったものだろうが)

一連で相当バズりましたので、とても広告効果が高かったと思います。例えば↓

(画像:百度から)

「めちゃうけるわ。ドラマ見た時そこまで笑うシーンでもないのに、スクショしたらめちゃおもろいです。ゲームの要素になってさらにうけます。今までやってなかったのにやってみようと思っちゃいました」とのコメント

彼女の炎上がバズればバズるほど、ゲーム内外でもこの話題に乗って盛り上がる人がいます。そこでビジネスが成立します。このような炎上商法は特別な事例ではなく、最近ではマクドナルドの中国社もやってて大変な成果を出しています。これもまたの機会で紹介したいと思います。

個人的に思うのは、最近ではネット民も既存のコンテンツに飽きていて、常に新しい刺激を探している感じがしています。先日紹介したショートドラマのブームもこの状況が背景にあると考察できます↓

こういった状況なので、ネット民が新たなバズリのネタを見つけると一斉に飛びついてとんでもない炎上になるというパターン。これは日本でも同様と思いますが、その盛り上がりを企業の事業のプロモーションに変えていくエネルギーがすごいなと感じています。日本の企業でマーケティングなどで困っている人も是非できる範囲でトライしてみてほしいです。

あと、個人的にはHuaweiの第二姫がいい人だし一生懸命な人だなと思ってます。色々大変そうですが、今後応援していきたいです。

(参考資料)

http://www.360doc.com/content/24/0320/14/84060180_1117791117.shtml


いいなと思ったら応援しよう!

中国情報局@北京オフィス
よろしければサポートをお願いします。Twitterも良かったらどうぞ! https://twitter.com/bijingbball