見出し画像

監督とプレイヤーを分けて、それぞれの強みが活きる社会へ

こんにちは、ベーシックCOO&リデザインワーク代表の林です!

今回は、監督(=組織長)とプレイヤー(=メンバー)を分けて両方が活躍できる組織づくりを改めて目指すべきという話をさせていただきたいと思います。

多くの組織で、多くの人が、気づいている問題だと思います。
「仕事でトッププレイヤーだった人が、良い組織長になるとは限らない」

もっと言うと、組織長としては明らかに足りていない、弊害さえも生んでしまっている状態も多く目にします。

残念ながら、令和に入っても、パワハラかどうかの線引きが難しいギリギリな発言や行動をしてしまう人も散見されている状態です。

記事にあるように、多くの企業で、社内で事実確認をしても、グレーゾーンの中で、パワハラ認定しないケースも多く存在しています。
そして、パワハラではないという判断の結果として、組織長として続投される場面を多く見てきました。

多くの場合、そのような人は何度か同じような問題が起こっています。グレーゾーンが少し改善はしても、ホワイトゾーンにがらっと変わる人は少数です。

ではなぜ組織は組織長を変更しないのでしょうか?
多くの日本企業では、名プレイヤーが組織長を担っている構図が一般的だと思います。

多く聞かれるのは、「その組織長がいなくなると業務が回らない」「パワハラ認定できないから降格まではできない」、「組織長でなくなると給与も下がってしまうので、そこまではさすがにできない」という現場の声、人事の声をよく聞きます。確かに、プレイヤーとしての業務推進力が高いのは事実だと思います。

しかし、組織長としての理想の姿とそれほど遠い人が組織長を担っていることは大問題だと思います。組織長としての理想と遠い人ではなく、理想に近い人に組織長を任せていく。一方で、組織長ではなく、トッププレイヤーとしてキャリアが実現できる道も同時に作っていく必要があると思います。

組織長として、より活躍の幅が広がる人と、トッププレイヤーとしてより活躍の幅が広がる人を分けて、両方が活躍できるキャリアの道を作っていく必要があります。

そのために、重要な要素だと思う3つを書いてみます。

  1. 組織長の方が偉い、給与が高いという構図を見直す

  2. 組織長研修・育成への注力度を高める

  3. 組織長になる手前でリーダーポジション(組織長見習い)を作り、
    組織長適性かプレイヤー適性かを判断していく仕組みをつくる

①組織長の方が偉い、給与が高いという構図を見直す

多くの組織では、組織長に役職手当を与えているから、組織長でなくなった際に、報酬が下がる構造となるため、組織長を入れ替えるのにためらいが出る構造になっています。
また、給与を上げるには、組織長を担っていく方が良いという単一的なキャリア形成の道しかない状況です。

組織長とプレイヤーはどちらが偉いわけでもなく、給与も組織長よりもトッププレイヤーが高いことも普通にありえる制度や仕組みを作っていくことが重要です。

実際、ベーシックでは、組織長=マネジメントとプレイヤー=エキスパートのキャリア複線型人事制度を敷いています。
実際に、部長より報酬の高いプレイヤーも存在しています。

②組織長研修・育成への注力度を高める

経営者や人事責任者から、ますます組織長の役割が重要になってきていると話をされる機会が増えたと実感しています。
しかし、実際、組織長への研修や育成などに力を入れているかと言えば、新任管理職研修こそあれ、その他はOJTになっていて、背中で見せるスタイルで学んでいくしかない現状は変わっていないと感じます。

組織長という役割は、一種の職種専門性だと思っていますので、専門性を
身に着けていくための研修やフォローアップは投資領域
だと思います。

マネジメントの役割とは何か?課長と部長では、どのように役割が変わるのか?などの理解から始まり、評価制度の運用、1on1の活用、戦略設計、チームビルディング、育成計画の策定など実践テーマを挙げればきりがありません。
勤怠の管理をすることがマネジメントの役割ではありません笑

※組織長としての役割については以前のnoteをご参考ください。

③組織長になる手前でリーダーポジションを作り、組織長適性かプレイヤー適性かを判断していく仕組みをつくる

組織長の役割は一定取り組んでみるまで、自分も周囲も適性があるのかどうかわからないものだと思います。

そのため、実際組織長に任用する前に、リーダー的な組織長見習いポジションを任せてみて、一部組織長の業務サポートを担ってもらって、本人の志向性や適性を見ながら、組織長キャリアを歩むのか、トッププレイヤーキャリアを歩むのかを一緒に決めていくことが出来ればよいと思います。

以上3つを同時に取り組みながら、組織長のキャリアとプレイヤーキャリアの両方を描ける組織にしていくことが重要だと思いますし、理想と遠い組織長はプレイヤーとしての活躍を期待していくべきだと思います。

みなさまからの「スキ」がとっても嬉しいので、記事を読まれて「ふむ」と思ったらぜひポチっとしていただけると飛び跳ねて喜びます!

経営戦略、人事戦略、働き方について、自身の経験を通じて得た気づきや学びを書いていきます。フォローしてもらえると喜びます! リクルートにて営業→経営企画室長→広報ブランド推進室長→働き方変革推進室長→リデザインワークを創業+ベーシック取締役COO+情報イノベーション大学客員教授