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「応援できる何かや誰か」がある人はしあわせである

パリ五輪が終わりました。
4年に一度のご連の話を(今回は3年だったけど)スルーするのもなんだなと思うので今回はこの話。

海外開催の中では最多のメダル獲得だったらしく、中には深夜から朝にかけてのライブ中継を観て寝不足になった人も多いことでしょう。

メダルを取れた人達の活躍はもちろん素晴らしいのですが、惜しくもメダルを逃した選手の姿も印象的だった。

大会冒頭の阿部詩選手の初戦敗退とその後の号泣も衝撃的だった。あの号泣にあーだーこーだいちゃもんを付ける界隈もあるらしいが、選手でもねえくせに、1ミリも努力もしてねえくせに、いちいちうるせえと思う。

柔道に関しては、他の試合でも疑惑の判定とかあったり、何よりあの団体戦代表戦の恣意的なルーレットとかいろいろあった。男子バスケットの日本対フランス戦の残り16秒での審判とかもあった。スポーツクライミング決勝でも、身長の低い森選手が届かない最初のコース設定で0点にさせられた、なんてのもあった。何度も何度も届かない所にジャンプする姿は見ていて胸が痛んだよ。そのかわり後半のリードで全体トップは素晴らしかったし、会場がスタンディングオベーションになったのは彼女の時だけだろう。

なんだかんだ、俺も結構見ているw

そんな中、テレビのコメンテーターの仕事を受けておきながら「私は五輪なんか見ない」とかわざと逆張りのことを言って「自分は違うんだぜ」というポーズを取りたがる中二病的なアホな東大准教授とかもいるわけだが、テレビに出ないなら別にそのスタンスでもいいし勝手だが、テレビという企業の広告費でまかなわれている番組にギャラをもらって出ているくせにそういうことをいうのはアホ以外の何者でもない。プロデューサーは内心「わざわざ言わなくてもいいことをギャラもらって言うなよ」と思っているかもしれない。

さて、そんな話はどうでもいいのだが、そういう変なのは除けば、五輪というものは始まってしまえば、大抵の人が見てしまうもの。

今まで見たこともない競技であっても、全然知らなかった選手であっても、場合によっては他国の選手であっても、その瞬間「がんばれ」と応援したくなってしまうものだろう。
そして、その選手がもし勝ったらそれはそれで自分の事のように喜べるし、万が一負けてしまっても「よく頑張ったよ」と寄り添える気持ちになったりするだろう。
親戚でもないのに。
※ただし、一部には負けた選手を執拗にバッシングしたがり気質の残念な奴もいるけど。

なぜそうなるかというと、この「誰かを応援する」という行動は、とても幸福感が高まる行動だからである。

オタク行動の中にも「特定のスポーツチームや選手の応援」をする人達がいる。スポーツじゃなくても、アーティストやアイドルを応援する推し活する人もいるだろう。
これらはとても幸福度があがるのである。

オタク趣味別に幸福度を比較すると明らかである。
そもそもオタク趣味を持つ人は持たない人に比べて幸福度はほぼ全部高くなるが、「誰かを応援する」行動は男女ともに高く、特に女性においては、もっとも高い部類になる。
グラフは以下の記事に掲出したので確認されたい。

逆にいえば、「応援できる何かや誰か」がある人はしあわせなのである。

五輪というのは(五輪に限らず、他のスポーツ大会でも同様だが)そういう幸福感を得られる刹那の舞台を用意してくれるものでもある。

小難しい顔をして「五輪ボイコット」なんてするより、せっかくある刹那の機会を活用して、ほんのちょっと「誰かを応援することでのしあわせを感じられればいい」のではないか。元々幸福な人も、幸福ではない人も、元々その競技に詳しくても詳しくなくても。

そういう意味で、無趣味でも幸福度の高い人たちがいるが、そういう人たちは、実は「自分の家族や子どもを応援している」家族オタクである場合が多い。


誰かを応援するよりも自分が応援されたい、承認されたいという人もいる。でも、それも広義の意味では、「誰かに応援されることで自分を応援する」行動でもある。

応援する家族や子どもがいない人は、自分を応援しよう。自分が応援したくなる自分であるようになろう。
でも、実は「自分を応援できる」ことは簡単なようでなかなか難しく練度が必要。こういう大会で誰かを応援することを、最終的に自分を応援できるようになるための練習として活用したらどうか。

応援をすることとは、本質的に人間を幸福にするのであれば、めんどくさいことを言わずに、する時はすればいいのではないかと思う。

ちなみに、応援する対象のない開会式や閉会式には無駄なお金をかけずにやってもらいたい派です。




長年の会社勤めを辞めて、文筆家として独立しました。これからは、皆さまの支援が直接生活費になります。なにとぞサポートいただけると大変助かります。よろしくお願いします。