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スマホ以上、ノートPC未満。Surface Duo2は新たな市場を拓くのか

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

最近すっかり距離が離れてしまいましたが、前職までは20年弱のあいだ一貫してケータイ・モバイル関連の仕事をしていたので、常に最新情報を追いかけていました。そもそもガジェット大好き、特に市場が大きく変革する狭間にパッと咲くようなものが大好物です。iPhone以前のスマートフォンというカテゴリを開拓し続けた、シャープの「W-ZERO3シリーズ」を全種類持っていたと言えば伝わるかもしれません。

それより前で言えば東芝の「Libretto(リブレット)シリーズ」を愛用しており、裏フタを切って大きいハードディスクを載せてみたり、まだマニアのものだったLinuxを稼働させたりとずいぶん弄り倒したものです。当時大学生だった私は片道の通学時間が2時間弱あり、電車の中でカーネルイメージをコンパイルしていた記憶があります。

振り返ってみれば、超小型のPCというもの。つまり、パカッと開いてキーボードがついているガジェットにめっぽう弱かったのですね。そういえば、Librettoの次は日本IBMの「Palm Top PC110(通称、ウルトラマンPC)」も手に入れていました。

閑話休題。当時はこういうのが流行っていたわけですが、iPhone以降はタッチパネルの進化により板状のものが主流となりました。iPhoneだろうがタブレットだろうが、大きさの違うただの板。ガジェッターとして心躍るかと言われれば、うーむという気持ちもありました。

そしてようやく「折りたたみのスマホ」が登場します。世界初としてLG G FlexやSamsung Galaxy Roundが発表され、Galaxy Foldとして実際に量産品として発売されました。当初は折りたたみ部分の強度やヒンジ部分の不具合などが見られましたが、今ではすっかりメインストリームになった感があります。

そして、今月11日にマイクロソフトがSurface Duoの新バージョン Duo2を日本でも発売しました。

米マイクロソフトの2画面スマートフォン「Surface Duo 2」がいよいよ日本に上陸する。11日に発売となる。今回実機を一足早く入手し、いろいろと試して使ってみた。

マイクロソフトが手がけるスマホといってもWindowsが動作するわけではない。米グーグルのAndroidをベースとしている。マイクロソフトはもはやWindowsだけではなくクラウドサービスが主力の会社だ。スマホ向けの基本ソフト(OS)はとっくに諦める一方で、AndroidベースのスマホをSurfaceブランドで出しつつ、Microsoft365といったOfficeアプリやクラウドサービスを活用してもらう考えにシフトしている。

マイクロソフトがAndroidスマホを作るというのは隔世の感がありますが、現実を見据えた賢い判断でしょう。ユーザーにとっては「使えるアプリがあるか」のほうが重要ですので。

実はFold系はグッとくる感じがなくて見送っていたのですが、この凝ったヒンジの作りを見たら欲しくなってしまい、発売日にポチッとしてしました。

まず、モノとしてはとても良い質感です。特にヒンジ!Surfaceで培った技が投入されまくっている感があります。ホームアプリも2画面用にチューニングされており、立ち上げたアプリを2画面すべてに表示したり、片側だけにしたりをスワイプ動作でコントロールできます。ちょっと新しい感覚です。

上記は左にブラウザ、右にメモアプリを割り当てた状態です。Webを見ながら調べ物をするときにはとても便利ですね。使っていて思ったのですが、こういう形状なのでスタンドがなくても立てられるんですね。すぐにTeamsやZoomのビデオ会議をするときにも役立ちます。

もちろん、ノートPCっぽく利用することもできます。その場合はこのような形になり、下のディスプレイいっぱいにキーボードが出てきます。これで高速タイピングができるかと言われると正直厳しいと言わざるを得ないのですが、ガジェット感があるのでオッケーです(たぶん)。

裏側に完全に折りたためば幅広のスマホのように使えます。通話をするときにはこの形になりますね。しかし、この状態で入力をするのはかなり厳しく、特にスワイプでかな入力をしようと思うと手がつります。。。

一番便利なのは電子書籍、特に漫画を読むときです。逆に言うと、バシッと決まる用途がまだこれ以外に見つけられていません。もう少し使い込んでみないといけないなと思います。

結論としては、スマホの代わりでこれ一台にするのはかなり厳しく、タブレット的やPC的な用途であれば利便性を感じる方がいるかも。あくまで新カテゴリとして考えておくのがよいでしょう。


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※ タイトル画像は筆者撮影。

※ 免責事項:筆者はMicrosoft Corporationのグループ会社であるLinkedIn Corporationの日本支社であるリンクトイン・ジャパン株式会社に勤務しています。本記事の内容は個人としての見解であり、所属する会社およびグループの公式見解ではありません。

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