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【男性育休】産後8週間で仕事復帰した社長ママの実体験

「男性も育休を取る時代」…少しずつその認識が浸透してきたのは最近のことです。私は2023年の春に32歳で第一子を出産し、出産当時は下着ブランドを経営する社長ママとして初の出産に挑みました。
「出産とはどんなものか、育児とはどんなものか」、今思えばざっくりとした甘いイメージしか持っていなかった私ですが、それでも会社経営をしながら新生児を育てるということは大きな挑戦であることは想像していました。

我が家のケース 里帰り2か月+夫の育休2か月

産後の仕事に支障がでないようある程度、出産前に準備を進めていましたがそれでも毎日の業務やトラブル対応など、業務は発生します。
産休は取得しましたが、スタッフと連携して産後すぐから一日1時間程度の業務チェックをすることになりました。

そのため、赤ちゃんのお世話と私の体力回復のために実家で2か月の産休、さらに夫が2か月産休を取得し合計4か月はサポートを受けながら仕事・赤ちゃんのお世話・体力の回復という体制で挑むことになりました。

夫が育休を取得した理由

  • 1.私の仕事的に夫に育休をしてもらわないと回らない状況

  • 2.夫の職場の先輩が取得していた(これがすごく大きい)

  • 3.夫自身が育児に関わりたいと積極的
    (初めての機会なので赤ちゃんと沢山過ごしたい)

2番目の「夫の職場の先輩が育休を取得していた」というのはすごく大きい理由だと思っていて、法律や企業の規定があっても実際に育休をしている男性がいないとどうしても引け目を感じたり、キャリアを気にする人が多いと思います。
夫も先輩社員が2か月の育休を取得していたからこそ、自分が育休を取るイメージを漠然と持てたし、2か月間の不在の穴を埋めるのは現場になるので理解を得るためにも過去に育休を取っていた社員の存在は大事だと思いました。

育休中の過ごし方タイムスケジュール

実際にパパとママで育児をしていたタイムスケジュールがこんな感じでした!赤ちゃんのお昼寝時間は二人とも休憩を過ごして負担なく過ごせたと思います。

7:00 赤ちゃん起床
        朝の支度(着替えやミルク)
8:00 朝ごはん
9:00 ママ会社へ(3時間勤務)
~パパと赤ちゃんの時間~
13:00 ママ帰宅
           パパランチ作り
13:30 ランチ
14:30 赤ちゃん寝かしつけや遊び
~ パパの休憩時間~
17:30 ママ夕食づくり
18:00 夜ごはん
19:00 お風呂
20:00 寝かしつけ

スケジュールだけ見ると「余裕そう!」と感じてしまいますが、実際はほぼ一日中赤ちゃんを抱っこしたりあやしたりしなくちゃいけなかったり(大泣きしちゃう)、ご飯を作っているタイミングなどで泣いたり、吐き戻しなどのトラブルがあって物事がうまく進まなかったり…
大人二人でもてんやわんやになる一日でした。
(さらに私は帝王切開で体力が戻るのに時間がかかり、ちょっとした動きでも時間がかかる)

夫が育休を取ったのが真夏だったので暑さで散歩にもいけず、ほぼ家の中だけで育児をしなくちゃいけなかったのも大変な環境でした。

積水ハウスの調査では2019年の調査時は平均2.4日取得の男性育休が、なんと5年で12倍の29.9日になったことが分かりました。
正直、育休2日と30日では出来ることがかなり違うので、「ママの育児支援」という意味では状況がかなり前進しているように思います。
ただ、面白かったのは育休を取得しても家事や育児を担わない「とるだけ育休」に終わってしまう男性が多いという話…
育休を「自分の休みの機会」と捉えて、ママのサポートをしない人が一定数いると聞いてましたが、実際のアンケートでも結果が出ているのは興味深かったです。

パパに育休を取ってもらってよかったこと


1.育児の一通りの作業が全部ひとりで出来るようになった
2.赤ちゃんとの信頼関係が深まった
3.後輩にも育休を勧められるように

育休を取ってもらってよかったと感じたことはこの3つです。
大事なのは「育休が終わった後」も仕事と育児の両立になるので、夫といかに協力しあえるかがポイントになると思います。
2か月間、みっちり育児に関わってくれたおかげで、今では私一人で出張もいけるほど安心して育児を任せられるようになりました。
そして、そんな姿勢もあって子供とパパの信頼感も深まり、今では「パパ!パパ!」と家じゅうを探し回るように。わが子の愛おしい姿にさらに絆も深まって、信頼関係ができたのがよかったと心から思いました。

最後は「男が育休をとっても何もできない」「女性が育児をするもの」という価値観とは180度違い、「パパも育児を一緒にできる」という考え方が夫婦ふたりで出来るようになったということです。
もし時代や環境が違えば、夫もそういう価値観になっていたのかもしれませんが、実際に育児を体験して大変さも知ることができ、男性育児への考えが深まったようでした。

現在、男性の育休取得率は30.1%で初めて3割を超えました。
目標は2030年度までに85%という政府目標があるので、まだまだ課題は多く、会社の規模が小さくなるほど難しいといいます。
私は会社経営も経験していて、実際に「現場の人数が減る」というのは企業にとっても負担があるので、手放しに「みんなが育休を取るべき」というのは難しいと理解していますが、まずは理解や価値観の部分から「現代社会での育児のあり方」が変わっていてほしいと個人的には思っています。

男性育休により女性の社会進出・男女格差にも期待

女性を採用しようとする時、「すぐに出産して現場から離れない?」という企業側の都合で、入社のハードルが高かったり、キャリアアップや賃金格差にも影響しているという話を聞いたことがあります。
しかし先日、経営者の知人と話していると「出産して現場を離れるのは女性だけじゃなくなってきた」と話題になりました。
男性育休が進むことで男女で条件が同じになるということは、世界146カ国のうち118位という日本のジェンダーギャップの改善にもメリットがある動きだと思っています。

小島 未紅
1991年東京都出身。株式会社iiy執行役員。新卒で大手IT企業に入社。エンジニアとして働き3年目に下着ブランドの立ち上げを決意し、2016年に起業。運営ブランドBELLE MACARONは女性視点の心地よさとデザイン性をもつ「24hブラ」がSNSで共感を集め、最高日商2000万円を記録。ブランド体制などをきっかけに2024年にブランドクローズを迎え、現在は下着ブランド「CHARM MAKE BODY」のブランドディレクターに就任。


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