1111セールが盛り上がってますんでnote更新のペースが落ちてます。ちなみに結構買っちゃいました...

今日は中国人の日常食生活にも大きな影響を与える豚肉の高騰についてです。最近SNSでよくこういうのを見かけます。

ちょっと汚く見えますが、中国の市場では新鮮な豚肉はこんな感じで売ってますので。(スーパーの売り方は日本とはそんなに変わりませんが)。

注目して欲しいのは、ダンボールに書かれた「花唄(アリペイのクレジットサービス)の分払い対応可能」です。高すぎるから豚肉を分割払いで買う人が現れたと...

他にもこんな表情包が出ました↓

「働きたくない？どんな家庭なの？お宅に豚でもいるの？」って意味です🐽

6月以来豚肉の価格が2.5倍くらい上がりました。パーツにもよりますが、500gが20元台だったのが50元台に上がってるそうです。

↑昨年9月から一年間の卸価格の変化です。

日本でもちょこちょこASFのこと報道してますね。

実は中国は、昨年から貿易戦争に備えてロシアから大量の豚肉を輸入しましたが、その時にコレラ感染が混じってしまった。ちょっと前からは環境保護のため小さい飼育場を厳しく取り締まっていて、もう規模のある飼育場しか残ってないそうです。

疫病の流行によって、飼育中の豚の数は前年比で1.3億匹も減った。これはほぼヨーロッパ飼育数の全頭数と同じらしく、アメリカの飼育数の2倍とのこと。

そして大きな問題なのは中国での生産量と消費量です。中華料理では豚肉が多く使われてますので。

まずは生産量。数字が2016年のデータでちょっと古いですが、世界の豚肉生産量(トン)はこんな感じです↓

うん、半分以上中国ですね笑。日本で中国産の豚って輸入してるのだろうか？

報道では、今年は疫病のひどいエリアの飼育数が80%以上減っていて、政府が備蓄の豚肉を出しても全く問題を解決できていないと。ということで自国で賄えないならば輸入しようとなってきています。

先日HuaweiのCFOがカナダで逮捕された件で一時的に中国とカナダの貿易は厳しくなりましたが、豚肉食べれないならそんなこと気にしてる場合ではない。今やカナダからの豚肉の輸入を再開しました。

ただ、それでも問題が解決できなさそうです。なぜならば中国の豚肉消費量は5600万トンだから（生産量は5400万トン）。。

↑豚肉消費量です。中国人が年間食べた豚肉が一人当たりの消費は圧倒的に世界一位。図がおかしいかと思いましたよ笑

↑アメリカと比べると数が全く違いますね。

今年の疫病で650万トン以上の不足してしまっています、そして雌豚の不足で来年の不足は880万トンまで予測されてます。カナダは毎年の生産量は200万トンで輸出できる量はわずか28万トンです。これでは全く足りませんね。。

そしてトドメは投資銀行が行った豚の餌の使用料からの試算。それによると不足はすでに1000万トンに達し、頭数にすると約1億匹になります。

疫病になって飼育場は豚全滅なので、仮に環境が改善して生産が再開されても、供応できるまでには三、四年はかかります。補足ために新たな飼育場を建設する場合、もっと時間がかかる。もはや世界中で輸出できる豚肉を全部中国に集めても足りなさそうです。

もちろんこの衝撃は直ぐに庶民の生活やお店に影響が出ました。

↑値上がりするとみるや、とんかつ屋さんがワンタンと春巻きの店に転身。変わり身の速さときたら流石です。

それだけではなく、豚肉の高騰はベーコンやソーセージ、そして年末年始に欠かせない餃子にも影響が出ます。また、豚肉に手を出しにくいから結果として鶏肉や牛肉、卵など他のタンパク質への需要も高くなって、それらも少し値上がりしてるようです。

僕は普段食堂で食べることが多いからまだそんなに実感できてませんが、「鱼香肉丝辣椒炒肉回锅肉糖醋排骨红烧肉蟹粉狮子头」の供給がなくなったら死にます。一日でも早く供給が戻るように祈ります。

そして中国が輸入するせいで他の国でのお肉価格にも影響を与えるものと思われます。今回の件で再確認させられましたが、中国人の消費は世界を動かします、世界の食問題への影響を考えさせられます。

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（参考資料）

https://xw.qq.com/cmsid/20191106A0O8T100?f=newdc

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1643664282919321235&wfr=spider&for=pc&isFailFlag=1