「できもしないことをさもできるかのように言って公金を無駄遣い」するのやめろ
少子化対策と地方創生、このふたつは「できもしないことをさもできるかのように言って公金を無駄遣い」している最たるものでしょう。もっと辛辣なことをいえば、公金に群がる中抜き業者やコンサルが儲けるためだけの無駄政策です。
若者が生まれ故郷を見捨てるのはなぜか?
その本誌は、仕事がないからであり、それは単純にお金という糧が得られないということだけではなく、人生の糧としての人との出会いも得られないからです。
そうした現状を書きました。ぜひお読みください。
記事内でも触れましたが、コロナ禍中、共同通信は何かにとりつかれたように、毎月のように「東京流出」をニュース化していました。ざっと拾っただけでも以下のようなものがある。
しかし、こんなのは「切り取り報道」の見本みたいなもので、実質年間を通じて東京からの流出などはありません。そもそも東京圏への人口集中はほぼ若者の人口移動によって決まります。
つまりは、東京集中というのは、裏返せば、「生まれ故郷を若者が見捨てている」ということです。
しかし、相変わらず自治体は的外れなことばかりやっている。
「古民家活用」とか「田舎でカフェ起業」とか「自給自足生活」とか、くだらないイメージで地方移住を促進させようとしたって何の効果もない。小金稼いだ高齢者が移住するだけの話。
また、愛媛県では、主に子育てを控えた29歳以下の若年夫婦に対する経済的な負担軽減策を打ち出しているが、そこじゃない。その夫婦となる前の若者から見捨てられているということをもっと深刻に受け止めるべきである。
事実、愛媛はそこで生まれた若者の21%が25歳までにいなくなってしまっている(プレジデント記事内のグラフ参照のこと)。それでもまだ愛媛はマシな方で、高知は27%、長崎33%、青森34%、秋田に至っては36%と最下位です。
こういう話に必ず「若者に給付金を」とか「べーシックインカムを」とかいう話が出てくるのですが、だからバラマキ政策をどれだけ繰り返しても意味はないんですよ。
飢えた人に魚を与えても、魚の釣り方を教えなければ、やがてその人たちは飢え死にする。給付金ではなく、自力で何とかできるような環境のお膳立てをする。一時しのぎではなく、自分で何とかなるという自信が持てるような環境づくりが必要なのである。全体の景気を底上げこそが必要たが、まず第一に今まで犠牲を強いられてきた若者層へ目を向けてほしい。
そういった意味で、以下の記事のように、企業を丸ごと誘致して、そこを企業城下町とすることで若者の都会並みの給料のある雇用を目指す方向はまだ間違っていない。
それでも限界はあるわけで、いずれ、消滅される町は消滅させなければならない時期が必ず来る。少なくとも、東京とは別に、大阪や愛知、福岡などが第二、第三の東京のように、地方における集積都市を構築していくことが現実的である。
それが、結果的には今減少し続けている婚姻のせめてもの維持のひとつにもなりえる。「婚姻増には若者の恋愛力強化」とかいう頓珍漢な地方の議員がいて炎上していたが、そんなものでは婚姻も出生も増えないのだ。
プレジデントの記事はヤフートップトピックスになりました。
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