見出し画像

国家も、民間企業も研究予算が少なすぎる。景気対策同等に重要な、次世代技術への投資

大学よりも、民間企業の研究のほうが良いのか

 ある記事が、目に止まった。

 この記事である。大学の研究よりも、民間企業の研究のほうが、裁量が大きく、人材が大学から民間企業に流れているという記事である。

 確かに、私も社会人の最初は企業の研究所におり、いまは大学での研究活動も行っている。その経験からも、この記事を否定するつもりはない。

 確かに、大学の研究では、科学研究費補助金(科研費)の申請を行い、その使用用途は、申請どおりでないといけない。途中で、新たな科学的な課題が見ええたからといって、研究テーマを大きく変えることはできない。

 民間企業では、年度途中の予算申請も可能な企業も多いだろうし、途中で研究テーマを変えることも、柔軟に行えることが多い。ただし、業務報告などの進捗報告は、丁寧に行う必要はある。

 しかし、大学よりも民間企業という、国内の中の研究予算より問題なのは、そもそも日本全体の研究予算が少なすぎるのである。

大学と企業の研究予算の割合は諸外国並み。問題なのは一人あたりの研究予算

 経済産業省が、まとめた「日本の研究開発費総額の推移」という資料があるので、見てほしい。

 「主要国等の研究主体別研究費⽀出割合(2015年)」というページで、企業、公的機関、大学の予算の割合が出ている。日本は、その割合は、78.5%:9.2%:12.3%で、一番公的機関の予算が多い、フランスの65.1%:14.6%:20.3%に比べれば、公的予算が少ないが、これはそれほど大きな問題ではない。

 この中で、「主要国の研究者1⼈当たり研究費の推移」では、日本の研究者の一人あたりの研究費は、1位米国、2位ドイツについで、3位であるが、4位の中国が急激に予算を増やし始めており、抜かれそうなのである。これが、一番問題なのである。

 つまり、本当に日本でAIやバイオなどの最先端の研究で、次世代の産業を創り、経済を良くしようと思っているのであれば、予算の絶対額を、企業も政府も増やす必要があるのである。

 この問題については、大学と企業、どちらが研究しやすいという問題ではなく、どちらも現状は問題なので、改善すべきという結論になるのではないだろうか。

 短期的な景気対策も重要なテーマであるが、中・長期の景気対策のための、研究投資を日本政府も企業も増やしてほしい。



もし良ければ、サポートをお願いします。今後の執筆のための、調査費用などに、有効に活用して、記事としてお戻しします。