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地域を担う人材を、どう育てるか。

今日はまさに“土地勘”のない話題に触れてみたいと思います。無知ゆえに未熟な見解がありましたら、ぜひコメントなどでご教示いただけると幸いです。

地域の大学が地元企業と連携した教育プログラムに取り組み、地元企業に貢献できる人材を育成するという話題がありました。

はたしてこれからの地域の担い手は、地域で育ち、学んだ人材なのでしょうか。予め断っておくと、私はこの取り組みについて、是も否もありませんが、「これが地方創生を担う人材を育てるベストな解決策なのだろうか」と思ったので、私たちの取り組んでいる事業を通じて検討の材料を提示してみたいと思い、書いています。

私は、「レンタル移籍」という事業を行い、大企業の人材にベンチャー企業で働く機会を提供しています。ベンチャー企業で働いた経験のある方々にお話を伺うと、大企業で鍛えられた力は、ベンチャーに行っても大いに役立つといいます。このような事象から私は、大企業という体系化された仕組みによって育成された人材は、別の領域においても(それがベンチャーであれ地域であれ)力を発揮できるのではないか、という仮説を持っています。

ちなみに、移籍をした方々が挙げる、ベンチャーで役に立つ大企業スキルは以下のようなものです。

①社内外で円滑な関係を築く「コミュニケーション力」
②正確かつ計画的に進められる「確動力」
③ものごとを論理的にわかりやすく説明できる「論理的説明力」
④様々な立場や状況における「情報編集力」
⑤粘り強く取り組む「忍耐力」

これらの力は、いろいろな部署を経験したり、体系立てられた研修を受けたり、もしくは資料作成などの場数を踏みながら鍛えられていくものだと思います。そしてこういった力は、時間をかけて育まれていく側面も大きいため、大企業以外の環境ではなかなか育成できないのではないか、という気もしています。地域で働く経験を通じて、これらの力を鍛えることはできるものなのでしょうか?

もし難しいのだとしたら、地域において大切なのはビジネスの現場で時間をかけて上記のような力を獲得した人材という考え方もあるのではないかな、と思います。

そう考えると、地域の人材を地域で囲い込むということではなく、一度外に出て修行をして、いずれその方が戻ってきて地域に貢献する、そういう循環を設計する必要があるのではないでしょうか。もちろんこれも簡単な話ではありませんし、時間がかかることかもしれません。

ただ、コロナ禍によって多拠点居住などの選択肢は確実に広まりました。このような状況を好機ととらえて、地域に閉じることなく人材の流動化促進を仕掛けていく地域がどんどん生まれてくると面白いですよね。

私たちも、都市部の大企業と地域課題を繋ぐプログラムを始めました。都市部と地域を繋ぐことによって生まれる成功事例、それを増やしていくことが、機運を高めることに貢献するはずです。またこのプログラムを通じて気づいたことも、ここでシェアしていければいいなと思っています。

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