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金利は据え置きの公算大

英国9月の総合インフレ率は8月と同じ前年同月比6.7%、コアインフレ率は前月よりも0.1ポイント低下の6.1%。食品価格の上昇率が一段と減速する一方、燃料価格は上昇したことで相殺するなど過度なブレとならなかったことがわかる。

BOEがコアインフレの中でも中心的指標として重視しているサービス価格については、前月から0.1ポイント増加の6.9%増となったものの、宿泊代金は宿泊日の直前にデータが集計されるため誤差が大きくなってしまうことや、教育費は学校が再開する9月に上昇しがちであることなど、ある種のノイズの可能性も指摘できる。実際金融政策委員会MPCでの議事録にも「向こう数か月間のサービス価格インフレの軌道は旅行関連サービス価格における潜在的なノイズが反映され、大きく変動する可能性が高い」とある。

ただしコア財の物価圧力は引き続き、急速に後退している。9月のコア財インフレ率は8月の前年同月比5.2%から減速し、同4.7%となった。この減速自体は、生産者物価でみられた弱さが消費者物価に反映された追加的証拠だと見ることができるが、これまでのコア財インフレ率の減速幅は投入価格の低下から推計されるよりも大きなものになっていることを見ると、安心材料として受け止めてばかりもいられないかも知れない。家計エネルギー料金のベース効果により、10月にインフレ率が急激に減速することも見ておく必要もある。より長い期間で見ると、2024年末までの間、コアインフレ率と総合インフレ率がともに減速する公算が大きい。

成長見通しの鈍化、労働市場が軟化しつつあることなどを合わせて考えると、金融政策において金利は据え置きとなる公算が大きいであろう。バンクレートは5.25%で据え置かれると見るのが妥当ではなかろうか。

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