見出し画像

フリーランサーに必要な 「危険予測能力」と「コンセプチュアルスキル」

新型コロナが世に蔓延してから3年以上が過ぎ、ついに3月13日にマスク解禁(個人判断へ)となります。
何か止まっていた歯車が動き出した古時計の如く、この苦境の数年間から新たなフェーズへ時が動いてきたような印象すら私にはあります。

以前の記事でも書きましたが、私は今から10年後に過去を振り返った時、この「コロナ禍」の数年間が「いろんな意味で大きな分岐点だった」と言われているのではないかと思うわけです。それだけ「大きな変化」を私たちの生活に及ぼし、そして私たちのビジネスにも大きな影響を与えたのです。

そしてそれと同時に、この時期に何を選択し、何を意思決定し、そして何を行動したか。それがフリーランサーの未来を方向付けるような気がしてならない。

そんな「コロナ禍」が次のフェーズへと行くとはいえ、元に戻るわけではないのです。変化した時代に沿って「今という時代」を創り出していくだけです。

まさにフリーランスにとってはチャンスでもあり難しくもある時代。
それでも10年後にあなたはこう振り返ることでしょう。

「結局、あのコロナの頃が分岐点だった」と。


情報過多時代だからこそ必要な能力。

特にフリーランサーのように「個人技」で仕事をしている人にとって「情報」を どう整理してどう活かしていくかというのは重要なことです。

ましてや現代のように「世の中の情勢」が変化している時は情報が膨れ上がって混乱することがあります。人の生活が変わればビジネスも変わりますから、「人の生活の変化」に影響を与えそうな情報には敏感である必要がありますね。

私にはそんな中で重要視している能力が二つあります。これは私自身もこの能力を高めたいと常日頃から意識しているし、人材採用においてこのスキルは重要視しているものです。

その二つとは、「危険予測能力」と「コンセプチュアルスキル」です。
この二つは磨きすぎということがないくらいに「完璧」のない能力ですね。

それではこの二つの能力。どんなことでなぜ現代のフリーランサーにとって必要だというのか。そこをお伝えしていこうと思います。


危険予測能力。

この能力は「このままでいくと大きな危険に遭遇してしまう」ということに気付く能力。幅広く言えば「気付き力」のひとつと考えていいと思います。

例えば、このままの方法で進んでいくと大きなミスに繋がるとか。そういう論理的な予感めいたものを感じる能力が「危険予測能力」です。

具体的な例でお伝えすると、スタッフのAさんとBさんの関係がうまくフィットせずに気になっていた。というのは危険予測能力とは言えません。この例でいうと、この二人の関係が今後「どのようなミスやトラブルに発展していくか」という「来るであろう具体的危機」を想像する能力こそが「危険予測能力」というものです。

危険予測能力もあるだけでは何にもなりません。その危機を回避するための行動を取ることで「来るであろう具体的危機」を未然に妨げることができるわけです。

先ほどは人間関係の例を出しましたが、危険予測能力は人間関係だけではなく様々な「危機」に応用できます。

「今は大きな問題ではないけど、このままいったら大きな問題になる」そのアンテナに敏感になることがこの能力の重要なところです。そしてこの能力の最も価値のあるところは「気付き」ではなく、コンセプチュアルスキルが磨かれる点でもあります。


コンセプチュアルスキルとは。

この能力は、例えばプロジェクトを動かしていく人や 会社で何かチームマネジメントを推進していく職種の人に必要な能力のひとつです。

フリーランサーにおいても、例えばディレクションやプロデュースを仕事にしている人にとっては不可欠なスキルだと私は思っています。
だから私のプロジェクトをお任せするフリーランサーには、必ずこのコンセプチュアルスキルを求めます。それが見えないとプロジェクトを組み立てることは難しいと、経験上わかっているからです。

コンセプチュアルスキルとは、「あるべき姿(目標到達点)」と「現状(何もない状態・または達していない今)」のギャップを具体的な行動レベルで埋めていける能力のことです。

少しわかりにくいですね。
例えば、そのプロジェクトの着地点として「こうなりたい」というものがあるでしょう。それが数値の場合もあるし非数値(状態レベル)の場合もありますね。いずれにせよ、目標到達点(なりたい姿)のないプロジェクトはありません。その状態へ向かうからこそプロジェクトなのです。

そして何も始まっていない「今」がありますね。その「今」と「なりたい姿」の間には「ギャップ」があります。プロジェクトは「行き先のない旅」ではいけないのです。例えば、今 名古屋にいて東京が目標到達点であれば、そのギャップは東海道新幹線の 名古屋-東京駅間の駅たちというわけです。

ギャップが明確になったら、今度はそのギャップのひとつひとつをどうしたらクリアできるかを考えることが必要になります。

まさにこの「ギャップを埋めるスキル」がコンセプチュアルスキルです。私のイメージとしては「階段を作る」イメージですね。


より具体的で行動しやすい階段を作る人は優秀なコンセプチュアルスキルの持ち主です。しかもそのスキルは磨くことができます。キーワードは以下の3つです。

1.その階段は具体的かどうか

具体的か抽象的かといえば判断できるとは思いますが、例えば「新幹線で行く」というのは抽象的です。プロジェクトの推進においては「3月17日のAM10:36発の名古屋駅発 東京行きののぞみ号362便に乗って行く」というのが「具体的」というものです。
しかもこれは具体的であればあるほど間違いがない。プロジェクトには具体的かどうかがとても重要なのです。

2.行動レベルに則しているか

3.効果測定可能か

この2つは共通項なので続けて説明していきましょう。
「行動レベル」という言葉はあまり聞かない言葉かもしれません。しかし私はよく使う言葉です(笑)。行動に則した表現かどうかということは、実は意外と重要なのです。

例えば、部下から「来月は顧客数を増やします」と聞いて「行動レベル」だとは感じないでしょう。「どうやって?」と聞き返すだろうし、その「どうやって?」という部分こそが「行動レベル」なわけです。

しかし残念なことに、このように「行動に則していない目標」が世に蔓延っています。このコンセプチュアルスキルの「ギャップ階段」は「行動に則した表現」でないと到着点に辿り着かないのです。

あなたの「ギャップ階段」は行動レベルになっているでしょうか。なっていないのならすぐに手直しをすることをお勧めします。


そして次は「測定可能かどうか」という点です。
効果測定ができない行動は評価ができませんし、なりたい姿に向かっているのかどうかもわかりません。

例えば「営業方法を工夫します」ということに対して「効果測定」できるでしょうか。まあ工夫はしたと感じればOKなのか。それとも工夫の程度が低いとNGになるのか。評価者の基準でOKにもなるしNGにもなります。

プロジェクトのギャップ階段はどれではいけないのです。誰が見てもOK。誰が見ても「未達」。そうでなければ最終的に辿り着けません。

効果測定は数値化するとしやすいのは事実です。しかし状態(非数値的側面)においても「効果測定可能な表現」はできます。

そしてコンセプチュアルスキルの高い人は、それを当たり前のように組み立てるのです。なぜならば、それができなければ目標到達点に辿り着かないことを知っているからです。


このスキルはどんなプロジェクトにも活用できる

今回紹介した「危険予測能力」と「コンセプチュアルスキル」。
一見クリエイター職種のフリーランサーには関係ないように見えるかもしれませんが、それはまったく違います。

フリーランサーは「自分を売る」必要があるのです。
自分を高く買ってもらえるように、”自分”という商品のプロジェクトを推進していかねばなりません。

このスキルはどんなプロジェクトにも応用ができます。現に私は様々なプロジェクトでこのスキルを活用してきました。

あまり聞きなれないこの2つのスキル。
これを機に、ぜひ覚えておいていただきたい。そう思います。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?