見出し画像

人類の新しい眼 James Webb Space Telescopeで見た初画像

2021年12月25日、去年のクリスマスは、Arianの打ち上げにくぎ付けだった。
James Webb Space Telescope(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡:JWST)が打ち上げられた。
このJames Webb Space Telescope(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡)は、1990年に打ちあがったハッブル宇宙望遠鏡の後継機だ。NASAが主導し、パートナーであるESA(欧州宇宙機関)およびCSA(カナダ宇宙庁)が参加する国際的なプログラムである。

 https://www.nasa.gov/image-feature/goddard/2017/james-webb-space-telescope-mirror-seen-in-full-bloom

大統領によってお披露目

その宇宙望遠鏡からの一番最初の画像が、日本の7月12日に発表された。
ジョー・バイデン大統領による、ホワイトハウスのイベントでの公開となった。大統領が科学的成果を大々的に公開するというのも、非常に印象的である。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)撮影の一番最初の画像


46億年前の銀河団「SMACS0723」の画像だ。

JWSTによって撮影された46億年前の銀河団「SMACS0723」の画像

歪んでいるように見える銀河は重力レンズの影響を受けている。
このにぎやかな銀河の様子をみていると、きっと地球以外にも生命がいるに違いないと思えてくる。その生命と遭遇できるかどうかは別の話であるが。

近赤外線観測により、非常に遠くにある銀河の微かな構造が明らかになり、初期宇宙についてこれまでで最も詳細な見解が得られるようになったとのこと。
また、この画像は、ウェッブ近赤外線カメラ(NIRCam)によって撮影されたもので、異なる波長の画像12時間半かけて合成したものだそうだ。

ちなみに、同じ部分をハッブル宇宙望遠鏡で見た画像が下記だ。

ハッブル宇宙望遠鏡で撮影された同じ部分

ハッブル宇宙望遠鏡でみた宇宙の写真は、自分がまだ子供だった頃、非常に新鮮な驚きをもって見ていたことを思い出す。この画像もすごいが、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の画像は、さらに高性能になっているのが、説明しなくてもわかるであろう。

ハッブル宇宙望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡

天文学は新しい技術、大きな装置を使って、眼(望遠鏡)の精度を上げて、新たな発見をしてきたといっても過言ではない。

地球の大気の影響を受けないで観測できることが最大のメリットであるが、その開発に際しての、資金や労力、技術は莫大なものとなる。
かかった金額は、ハッブル宇宙望遠鏡は20億ドルジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は100億ドル(1兆円以上!)とのこと。

それぞれの宇宙望遠鏡に関しての違いは、下記のインフォグラフィックにまとめられている。

ESAによる、ハッブル宇宙望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の比較

また、この記事もそれぞれの違いが比較されていてわかりやすい。

さらに4枚公開予定

日本時間7月12日23時30分にはさらにほかの4枚の画像が公開されるそうだ。

これからジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)によって、どんな宇宙の様子が見られるのであろうか。暗いニュースが多い中、非常にワクワクする楽しいニュースであった。

追記:さらに発表された画像(7月13日追記)

7月12日深夜、さらに追加での4枚が発表された。

太陽系外惑星WASP-96B

太陽に似た恒星の周りを回る高温の巨大ガス惑星を取り巻く大気中に、雲や霞とともに、水の明確なサインを捉えている。ということはもしかして生命が存在する可能性が???

惑星状星雲 NGC 3132


ステファンの5つ子 HCG92


星形成領域 カリーナ星雲のNGC 3324




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?