見出し画像

4/28はイコール・ペイ・デイ。でもそれって何の日??

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

2023年4月28日は「イコール・ペイ・デイ」です。と言われても、知っているという方はまだ少ないかもしれません。

これは男女社員間の賃金格差を指標化したもので、ある年の1月1日から男女が同時に働き始めたとして、男性がその1年間で稼ぐ賃金と同額を女性が稼ぐには年を越え、いつまで働かなくてはいけないかを示しています。2023年は、本日4月28日。つまり、2022年1月1日に男女が同時に働き始めたとして、女性が同じ賃金を得るには4ヶ月余計に働かなくてはいけないということを表しています。

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」によれば、2021年の一般労働者の賃金は男性が33.7万円、女性は25.4万円です。働く女性らで組織する日本BPW連合会は、この調査を基に賃金格差指標「イコール・ペイ・デイ」を毎年算出しています。
~筆者略~
男女の賃金格差は世界各国でみられる現象です。ただ、日本はG7(主要7カ国)で最も格差が大きくなっています。その主たる原因は、役職と勤続年数の男女差だとされます。

係長、課長、部長と高い役職に就くほど賃金は増えます。日本は男性の管理職比率が高く、その分、男性の平均賃金も高くなります。また日本企業では社歴が長くなるほど収入が増える年功序列型賃金が一般的です。こうした雇用慣行の下では、結婚や出産、夫の転勤といった家庭の事情でやむなく退職する女性が多い日本では、女性の平均賃金が伸びません。

日経電子版

依然として格差が存在していることは事実ですが、進捗していないわけではありません。2000年には7月19日、2010年には6月8日と縮小していますが、ここ数年は縮小率が減少してきています。これだけ女性活躍や異次元の少子化対策と言われている印象とはかなり異なります。

日本BPW連合会サイトより https://www.bpw-japan.jp/japanese/dl/epd2023sokuho.pdf

厚生労働省のサイトでは情報公開企業のデータベースを整備しており、女性活躍推進に積極的な企業の事例などを紹介しています。

岸田首相は先月3月17日の記者会見で、パート労働者の給与が一定額を超えると手取りが減る、いわゆる「年収の壁」の対策に取り組み考えを示しました。

週の勤務が30時間未満のパートの場合、年収が130万円を超えると、会社員の配偶者が入る社会保険の扶養対象から外れる。厚生年金と勤め先の健康保険が適用され、給与から保険料の天引きが始まって手取りが減る。「130万円の壁」と呼ばれるものだ。

近年は年収106万円が壁になる人も増えている。社会保険の適用拡大が進み、勤め先の従業員数が要件を満たす場合、勤務時間が20時間以上で月収が8万8000円(年収換算で約106万円)を超えていれば、保険料が天引きされるようになったためだ。

手取りの減少を避けたいパートの主婦らは、年収が壁を超えないように勤務時間を調整することが多い。人手不足に悩む企業が時給を上げるとさらなる就業調整が起きる悪循環もあり、飲食業や観光業から悲鳴が上がっていた。

日経電子版

政府は減少分を肩代わりした企業に対して、補助金を出すことを検討しています。しかし、この案では扶養される配偶者の優遇を拡大し、社会保険の負担と給付の公平性をゆがめる懸念が大きいでしょう。そもそも現行の制度においても、会社員に扶養される配偶者は第3号被保険者として、保険料を納付せずに国民年金や健康保険の給付を受けています。

すでに共働き世帯は68.8%(総務省「労働力調査(詳細集計)」 )と過半数を超えており、これらの世帯からは第3号被保険者は優遇されているとの批判もあります。政府案はこの優遇の構造を拡大することにもつながります。個人的には、政府は大黒柱の男性が一家を支えるという「伝統的家族観」を引き続き守りたいのが本音では?と邪推すらしてしまいます。

つまるところ、このような制度が男女賃金格差を助長している側面があります。格差が生じる原因は、管理職比率や勤続年数が主です。結婚・出産などで退職する女性社員が多ければ平均勤続年数は男性の方が長くなります。まだ年功序列が残る日本企業においては、自然と賃金に差が出てきます。扶養に入る方が得であればあるほど、退職してそのままキャリアを中断したままになる女性も増えてしまうでしょう。

今ある格差に対して素直な目で分析し、問題意識をもとにどのように改善していくのか。国も企業も具体的な道筋が求められています。


みなさまからいただく「スキ」がものすごく嬉しいので、記事を読んで「へー」と思ったらぜひポチっとしていただけると飛び上がって喜びます!

タイトル画像提供:8x10 / PIXTA(ピクスタ)

#日経COMEMO #NIKKEI

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?