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ベテラン社員が今すぐ学ぶべきスキルとは

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

# 本記事は日経朝刊 投稿募集企画への寄稿です。

最近「リスキリング」という言葉を聞くようになりました。これまでは「リカレント教育」という言葉のほうが聞く機会が多かったので、今年になって急に盛り上がってきたのかなと思います。

どちらも「学び直し」を意味するところは同じですが、リカレントが一度会社を辞めて学校に入り直して学ぶことを指しているのに対して、リスキリングは働きながら学び直すことを意味しています。

これまでの流れを追ってみると、2016年にリンダ・グラットン著『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』が発売。「人生100年時代」というパワーワードが話題となり同書もベストセラーとなりました。2017年11月に安倍元首相が「リカレント教育」の拡充について言及(第3回「人生100年時代構想会議」)。これを受けて職業訓練プログラムを所管する厚生労働省、また文部科学省や経済産業省などが連携して人生100年時代の学び直しについての施策を投入してきました。

コロナ禍になり、大きなインパクトを受けた業界から成長性のある市場への「労働移動」を後押しするための政策パッケージとしてもリカレント教育が取り上げられました。

このような背景もあり、いま大きな波がきているのが「リスキリング」なのでしょう。

いま学ぶべきスキルというと、AIやデータサイエンスであったりプログラミング等々が真っ先に挙げられます。もちろんIT人材は今後も不足すると言われており、このようなスキルを保有する人材はDXを進める上でも不可欠です。しかし、技術の陳腐化のスピードも加速度的に早くなっており、一説によると「スキルは5年で陳腐化する」とも言われています。そのような時代において、特定のスキルに固執することや「これさえあれば大丈夫!」とは言えません。

特にベテラン社員の方にとっては、今までのやり方の否定にも聞こえてしまい、不安も大きいのではないかと想像しています。では、ベテラン社員にいま最も必要なスキルとはなんでしょうか?

それはズバリ「好奇心」。つまり、学ぶためのスキルです。

言い換えるならば、学び続けようとする姿勢があるか、また実際に学んでいるか。そして、学ばなければいけないんだという当事者意識を持てるかということです。

「え、それってスキルなの?」と思われるかもしれません。効率の良い学習方法というのは身につけるものであり、それはスキルの一種だと考えています。私の身の回りで継続的に成果を出している人に共通していることはこの点であり、聞いたことで自分のビジネスに関係しそうだと思うとすぐに調べ、学び、モノにしていく。そしてこの一連のサイクルがとても早いのも特徴です。

これまでの成功体験を一旦手放す「Unlearn(アンラーン)」も大事です。学び直しならぬ、学び壊しとでも言いましょうか。ベテランになればなるほど過去に執着しがちですが、まずは目の前にあることに集中して曇りない目でインプットをする。勇気を持ってゼロベースでやり直すというマインドセットが伴えば、いくつになっても現役で活躍できる人材になるのではないでしょうか。

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タイトル画像提供:tak36lll / PIXTA(ピクスタ)

#日経COMEMO #ベテラン社員に学んでほしいスキル

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