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フランス大統領選挙の注目ポイント

2022年が近づいてきた。来年の金融市場動向を占う上での目玉の一つが、フランス大統領選挙である。4月10日予備選を経て、4月24日には新しい大統領が誕生することになる。

マクロン大統領が再選されると考えられるものの、いよいよ大統領選挙が視野に入り、混沌としてきた。右翼ゼムール氏は出馬を正式に表明、共和党のペクレス氏も大統領公認候補として指名されるなど、競争相手が決まってきた。現時点では現職マクロン大統領と国民人気が高いとされるルペン氏が先を行く形になっているが、役者が揃う中、この先の選挙動向は混とんとしてきた。

共和党はペクレス氏のもとで一致団結する可能性が高く、混戦となっていくと考えられる。共和党の40%近い票が右派候補のシオティ氏に流れたことを見ると、多くの国民が右傾化している可能性も否定できない。こうした勢いを踏まえ、ペクレス氏の右傾化が顕著になれば、ルペン氏やゼムール氏の勢いが弱まるかも知れない。

マクロン大統領は選挙を意識し、フランス国民には支持されやすい原子力の活用に舵を切った。こうした流れに加え、混戦となるにつけ、人気取り政策が必要となれば、財政政策の出動による財政負担の増加もあり得るシナリオとなる。コロナ禍を受け、世界中の債務残高は増加しているが、フランスとて例外ではない。折しも、欧州では財政ルールの見直しが検討されている中である。フランスは財政規律を遵守する、というイメージがそう強いわけではないが、大統領選挙を理由に一層タガが緩む可能性は見ておかねばならない。

2022年は選挙年であるが、皮切りと言っていいフランスの大統領選挙とその後の世界情勢に変化があるのかも見極める必要があろう。


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