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フードロス対策にゲーム要素を追加してみては?ドイツ生活者の目線から

ドイツの経済紙『ハンデルスブラット』は1月29日付でフードロス対策アプリ「Too Good To Go」を取り上げています。(画像は記事のスクリーンショット)

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このアプリですが、まだ改善の余地があるのでは?と筆者は考えています。今回はこのフードロス対策を紹介しつつ、ドイツで生活する者としてアプリを利用した際の気付きをまとめてみたいと思います。

「Too Good To Go」とは?

「Too Good To Go」は、レストランやパン屋で余った商品を店舗でピックアップすることで割引価格で購入できるアプリです。店は販売することで廃棄を回避し、ユーザーは割安で商品を購入できるメリットがあります。日本では例えば以下のNoteの投稿で詳しく紹介されています。

フードロス対策は日本でも大きな関心を集めています。この「To Good to Go」は日本には進出してないようですが、すでに同様のアプリが日本で展開しているようです。日経新聞では「ITで余った食をマッチングする」と「Tabete」というアプリを報じています。

冒頭の『ハンデルスブラット』の記事によると、デンマーク発の同アプリは欧州各国だけでなく米国にも進出を果てしているとか。ドイツでも1万1,000店が登録しているそうです。

アプリを利用してみて気づいたこと

筆者は昨年9月に利用を開始しました。きっかけはツイッターのタイムラインに偶然表示された利用者のツイートでした。これまでどういったフードロスを「救った」のかは、以下の筆者の一連のツイートで見られます。

(このアプリでは、廃棄予定の商品を購入することに「救う」という表現を多用しています)

5ヶ月ほど使用して気になった点がこちらです。

1)徒歩圏だとピックアップできる店舗が限られている。
2)パン屋が多い。ほぼパン屋。
3)白身魚のフライや寿司はすぐに売り切れる。
4)そのうち飽きる。

1)廃棄商品の提供が確定するのは、早くても前日で当日の場合も多いです。ピックアップの予定が立てにくいため、気軽に来店できる徒歩圏の登録店が候補になりがちです。通学・通勤の途上にも登録店をチェックしアプリ内の「お気に入り」機能に追加しておけば選択肢は広がりそうです。

2)パン屋が多いのが気になりました。サンドイッチなど単価が高いものを除くと、一般的な白パンであれば数十セントなので例えば10ユーロ分のパンともなると膨大な量のパンを引き取ることになります。大家族であれば問題ありません。

3)シーフード軽食チェーン店の「ノルトゼー」や宅配寿司店も利用できます。ただし、こういった店のフードロスは人気なのかすぐに売り切れてしまいます。「お気に入り」機能を活用しプッシュ通知を受け取る設定にしていれば、チャンスは広がります。

4)実はこの飽き対策が難しいと感じています。というのも、「フードロスを救おう!」という価値観はたしかに普及しつつありますし、日本の「もったいない」という考え方が国外で注目されることもあります。ただ、動機づけとしては物足りなさを感じてしまうのです。少なくとも筆者はそう感じてしまいました。

そこで気づいたのが、ゲーム要素を追加してみてはどうだろうという点です。フードロスを廃棄前に購入する行為を「救う」と表現するなら、購入した回数などユーザーの利用履歴に応じた評価機能があってもよいのではと思いました。

想定しているのはゲーム内でよくあるユーザーを評価するシステムです。例えば、半径XXキロメートルで過去XX週にわたりXX回のフードロスを購入(「救った」)した「実績」として金銀銅などの「メダル」がアプリ内で付与されるとか。

筆者は「ポケモンGO」や「イングレス」などの位置情報ゲームをプレイしたことがあり、そう感じました。

社会が抱えるフードロス問題に協力する姿勢はとても大事です。一方で、その課題に協力するユーザー個人にも安く購入できる以外の動機づけはあってもよいのではと感じました。皆さんはどう思いますか?

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