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良い会社=居心地の良さなのか?

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

「良い会社に入りたい」ー 学生からのキャリア相談で一番多い質問がこれかもしれません。続いて「将来性のある会社を見極めるにはどうすればいいか?」「自分に合っている会社をどう見つけるればよいのか?」などの質問も多いです。

これは新卒採用に限った話でもなく、中途の転職相談でもよく聞かれるものです。

「いまより良い会社に行きたいんです。」

気持ちはわかりますが、万人に効く魔法の薬はなのが現実です。ちょっと落ち着いて考えてみましょう。

まず、良いとはなにか?です。給与をあげたい、もっと成長したい、社会にとってよい事業をしている会社の一員になりたい等々。自分にとって「良い」とは、具体的になんなのか。そして、一番重要視するものを挙げるとすればなにか? ここに正解はありませんし、時と場合によって変化するものです。ですので、「今、一番、何を?」重要視しているかをよくよく考え抜くことが大切です。

また、居心地の良さ・悪さというのも、会社選択の上では大事でしょう。毎日イキイキと働けるかどうか。これは多分に上司や同僚との人間関係に依存する部分ではありますが、ありのままの自分が安心して能力を発揮できる環境かどうかは、会社の仕組みとカルチャーに依存します。それは、経営陣やマネジメント層がどれだけ環境づくりに投資をしているかで判断ができます。

以前見た記事で、数多く転職を経験した方々の座談会がありました。良い会社と呼ばれるためにポイントとなる点が多く提示されており、とても参考になります。

――逆に残念な会社、社員を生かせない会社にぶつかった経験は。

山崎 (不安なく率直な意見が言える)心理的安全性がない会社には居心地の良さを感じません。過去に勤めていた会社で、髪色を変えたときに理由を詰問されました。私としては会社がメタバースやバーチャルを扱う性格上、その世界観と親和性のある自分を演出したつもりでした。それなのに「今の時代にそぐわない」と。クライアント先から言われたのなら納得できますが。

日経電子版

心理的安全性という言葉は近年多く使われるようになりましたが、もっとも誤解されている言葉かもしれません。「Psychological Safety」という言葉をそのまま訳してしまったことが誤解を生んでいると思いますが、組織論において初めてこの言葉を使ったハーバード大学のエドモンドソン教授の発言によりと、以下のように説明されます。

"A shared belief held by members of a team that the team is safe for interpersonal risk taking."

Edmondson (1999) Administrative Science Quarterly. 44(2)

つまり「チーム内で、対人関係上のリスクをとったとしても安心できるという共通の信念」であるとしています。

誰にどんな発言をしても罰せられない雰囲気や暗黙の了解(共通の理解・信念)で満ちているチームのことであり、忖度や空気を読んだぬるま湯とは真逆の環境のことです。

例えば、イマイチなアイデアを上司が提案したとしたら、「いや、それはイマイチですよ」と部下が当たり前のように指摘できる。わたしが心理的安全性を訳すとしたら、おそらく「残酷なまでに正直なさま」であると表現するでしょう。

このような環境は慣れないと非常に居心地が悪いと思います。ではそのような会社が悪い会社なのかと言えば、実際には心理的安全性のあるチームのほうがハイパフォーマンスを出すことがわかっているため、そのチームは実力でもって会社から評価されることになるでしょう。そうすれば、ボーナスが多くもらえたり、昇進の機会が与えられたりしますので、結果的にハッピーになるでしょう。成長がすべてを癒やすのです。

もちろん、そのような職場を求めるかどうかも、個人の考え方に依ります。自身がどのような環境を求めるのか、それを実現している会社はどこなのか。この記事が良い会社について、より深く考えるきっかけになれば幸いです。



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タイトル画像提供:Yuri Arcurs Peopleimages / PIXTA(ピクスタ)

※ 本記事は「日経COMEMO投稿募集企画 #良い会社の条件 」への寄稿です。

#COMEMO #NIKKEI #良い会社の条件

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