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コロナ後もハイブリッドワークが主流に 減少した交流を模索する企業

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

5月からコロナの扱いがインフルエンザなどと同じ5類に引き下げられ、感染対策は個人や企業の判断に委ねられました。ここ最近では、周囲にコロナ感染が増えているという体感はあるものの、まさにインフルと同じような対応になっています。

日経電子版の「チャートは語る」の特集でも(個人的にこのシリーズは面白くてためになるものが多いので愛読しています)、この動向についてデータをもとに考察しています。

政府は5月、コロナの感染症法上の扱いを季節性インフルエンザなどと同じ5類に引き下げた。法律に基づく行動制限などはなくなり、感染対策は個人や企業の判断次第になった。

その後の6月、日経リサーチと共同で日経読者のビジネスパーソン850人の働き方を調査した。週5日以上出社する人は62.2%、IT(情報技術)やコンサルなどの業種に限ると33.9%だった。

全体として66.7%は5類移行後も在宅の頻度が変わっていない。東京・大手町に通勤する30代の会社員の男性は「コロナをきっかけに週2くらいで在宅勤務している。今後も続ける予定」と話す。

会議のオンライン化や資料共有のクラウドサービスが広がり、柔軟に働けるようになっている。今回の調査でコロナ禍を経た変化について聞いたところ「デジタル技術の活用で効率的になった」との回答が43.8%に達した。

日経電子版

コロナ禍を経た働き方の変化として大きいものは、デジタル技術の利活用とそれに伴う在宅勤務の併用(ハイブリッドワーク)です。当初は押印のために出社しなくてはならない等の話を聞きましたが、その後電子決済や資料の電子化などが急速に進み、全体としてデジタル技術の利活用が進んだことは社会にとってプラスだったのではないかと思います。

一方で、勤務後の飲み会などは目に見えて減り、職場内のコミュニケーションが低下しているという声も聞かれます。GMOインターネットグループの熊谷正寿会長兼社長はツイッターに「企業にとって最大のコロナ後遺症は在宅グセによるコミュニケーションの減少」と投稿したことも話題になりました。

これまではあくまで暗黙の了解、ないしは部署ごとの自主性に任せたカジュアルコミュニケーション(飲み会)がなされてきました。ハイブリッドワークが前提となると、会社には来ても業務が終わればすぐに帰るということが増えてきます(出社、退勤もまちまちなため)。長期的に見ればテレワーク一辺倒ではマイナスの面が目立ってきますので、会社側がマネジメントの一貫として社内コミュニケーション計画を「仕掛けて」いかなくてはならないでしょう。

以下はコロナ禍で生まれた新サービスで、オンライン特有の距離感を感じさせずにより良い人間関係を構築するためのプログラムを提供しています。

バヅクリでは本来業務とは一線を画したプログラムを通して社内の人間関係を構築することを目指している。お絵描き以外にも参加者宅に材料を送ってみんなで同じカレーを作って食べる調理や筋トレ、ボードゲームなど100種類以上のプログラムを用意する。プレイライフの社員が司会進行を務めて場を回し、「オンライン特有の距離感を感じさせない」(プレイライフ)。

同社の佐藤太一代表はバヅクリを「社内の飲み会に代替するサービス」と説明する。リモートワークで社員のつながりが分断され日常風景だった職場での雑談が減少。1つのプログラムを分かち合うことを通して同僚同士の距離を近づける。

日経電子版

サービス開始約2年半で導入社数は700社を超え(出所:プレスリリース)、導入企業の継続率は75%と高い満足度を示しています。

他にも社内で集まる日を設けて共通のアクティビティをしたり、オフサイト(社外でのイベント)を実施している企業もあります。重要なのは、コミュニケーションが減った分のマイナス面を認識し、企業文化にあった施策を計画・実行していくことです。例えばグローバル企業では、時差の関係もありオンライン以外のコミュニケーションが不可能な場合なチームもあります。よって、年1回は本社に集まる、地域ごとに集まるなどオフラインの交流のための仕掛けが用意されています。

今後もハイブリッドワークの傾向はコロナ前に戻ることはないと考えています。各企業は社内コミュニケーションの専門担当を置くなどして、より良い社内人間関係の構築のために模索を続ける必要があるでしょう。


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タイトル画像提供:shimi / PIXTA(ピクスタ)

#日経COMEMO #NIKKEI

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