幸せの核心=「心の資本」

我々の幸せを構成する要因には、2つある。1つは、ボーナスのように、一時的には喜びや快楽をもたらすものの、短時間に元のベースラインに戻ってしまう要因である(これをアリストテレスはヘドニアと呼んだ)。

 もう一つは、より持続的に幸せのベースラインを向上するものである。これは、日々の行動習慣が決めていることが分かっている。特に、日々前向きに自分なりの挑戦をする習慣が、大変重要であることが分かっている。これが持続的な幸せの実態なのである。これを心理学では「心の資本」(あるいは心理資本)と呼ぶ(アリストテレスはこれに相当することをユーダイモニアと呼んだ)。

 ことを起こすには「お金(Financial Capital)」「スキル(Human Capital)」「関係性(Social Capital)」という3資本に加えて、「心の資本(Psychological Capital)」が必要である。逆に、心の資本があれば、お金やスキルや関係性は結果として手に入る可能性が高く、心の資本こそが最も基本的だ。

 心の資本は、Hope(希望)、Efficacy(自信)、Resilience(耐難)、Optimism(楽観)の4要素が重要であることが学問的に検証されており、合わせてHERO withinと呼ばれている。

 本記事にあるように、新興国においてもこれは変わらない。むしろ、新興国だからこそ、大きな格差を克服するためにも、「心の資本」が、そして、国にHEROを生み出す活動がますます重要になる。

 実は、日本の停滞した現状は、この「心の資本」の低下が大きな原因であると考えている。実は、日本には他の資本(お金、技術、関係性)は十分ある。なぜ、ここまで停滞することになってしまったのか。絶えず前向きに挑戦する日々の習慣が、低下したからである。

 日本に再度HEROを再生したいと考えている。

https://newspicks.com/news/3446794/body/?ref=timeline_1125005

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