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外に行く時こそ、内の繋がりを大切にしたい。

外部企業への出向という形で雇用の維持を図ろうとする企業が増えているという話を以前にこのnoteでも紹介しましたが、その続報が上がっていたので、それに絡めてコメントをしてみます。

下の記事によると「出向先でもモチベーションを維持しながら、復帰後の職務にどう生かすか試行錯誤が続いている」「自分の業務が何につながっているのか悩むことがある」といったことが取り上げられています。


以前にこちらのnoteでも記載しましたが、働きなれた環境を飛び出すということは明らかな試練であり、上記のような課題が出てくるのは仕方のないことだと思います。ただ、一方で絶好の成長機会でもあるのです。(そういう環境にいらっしゃる方には、ぜひ下記の記事もご覧いただけると嬉しいです。)

では、どうしたら試練を成長機会に変えることができるでしょうか?この点について、本人とそれをサポートする側と、それぞれの視点からひとつづつ、ご紹介をしてみたいと思います。(これはきっと転職をした際や、まったく異なる部署に異動をした際などにも通じるところだと思いますので、ご参考になれば幸いです。)

まず、ご本人向けに。「できないことを、できないと言う」ということです。どうしても今までの経験を活かしてすぐにでも組織に貢献しなくてはいけない、という感情が出てしまいます。でも、新しい環境・新しい仕事の中ですぐに結果を出すということはできません。むしろ、今までの経験が、新しい知識のインプットの妨げになってしまうことがあります。

「何かできることをしよう」ではなく、いったん今までの経験のことなどは忘れて「新しいやり方を覚えよう」とシンプルに考えていただくとよいと思います。そんなことしていたら周りに迷惑がかかっちゃうかもと不安になることがあるかもしれませんが、大丈夫です。ある程度、自分に知識がついてくると今までの経験というのは自ずと生きてくるものです。

ですから無理に最初から自分のスキルや経験を活かそうとするのではなく、「手放す」(アンラーニングと言ったりしますね)ことを意識していただくとよいのではないでしょうか。

そのようなことを踏まえて、次はサポートする側のことをお話しします。「手放す」ということは、本人にとってとても不安なことです。それを安心して手放せるように、私たちが日々意識をしているのは「よってたかって」その人を見ているという環境をつくるということです。

別に頻繁にコミュニケーションをとる必要もありません。ただ、そうやって異なる環境で挑戦しているということを誰が認識しているかを本人に伝えておく。その全員が、困ったことがあれば相談できる状態にあるのだということを説明しておく。これだけで、新しい環境にいる人が安心して今までの経験を手放せるようになるはずです。

大きな組織、たくさんの社員、そういう中にいると、どうしても個々の繋がりというのは優先度が下がってしまうのかもしれません。さらに昨今のリモートワークの状況下で関係性は希薄化が進んでいます。

その一方で、リモートワークなどで時間ができたことで、越境とか副業とか、企業の外に向かっていく遠心力は高まっています。でも、本当に外に出ることが意味を持つのは、それが内側と繋がっているからなはずなのです。その「内との繋がり」が求心力、そして求心力というのは極論を言ってしまえば人の繋がりです。

冒頭のような出向とかそういう動きが、人の繋がりを改めて思い出す機会になったらいいなぁ。外に出ていく人も、それをサポートする人も、遠心力と求心力、その両方を忘れずに取り組んでいただけたらいいなぁ。と願う次第です。それでは。

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