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地層のように折り重なっていく記憶と、組織はどのように向き合っていけばいいのだろうか。

ローンディールという会社では、新たに入社してくれた方にお願いして、入社数ヶ月以内に「ここが変だよ、ローンディール」というフィードバックをしてもらうようにしています。

これは、弊社のアドバイザーになってくださっている本間浩輔さんから、「組織って自分たちが気づかないうちにいろいろなものが当たり前になってしまうから、新入社員の第一印象というのはとても貴重だよ」とアドバイスをいただいたことをきっかけに始まった企画です。

そんな「ここが変だよ、ローンディール」が先日も開催されました。今日はそんなお話です。

うちはWILLが発揮できない会社?

今回、発表をしてくれた新しいメンバー、阿部さんからのフィードバックは「もっと一人ひとりが、WILLを発揮すべきでは?」というものでした。

「は?何言ってんの?」というのが正直な私の感想です。笑

何を隠そう、私たちは事業(越境を通じて、企業で働く人に成長機会を届けるという事業をやっています)においても「WILL」ということを大事にしてやっている会社です。なんなら、「WILL」というタイトルの本を出版しているメンバーまでいるのです。そんな私たちを捕まえて、WILLを発揮していないとはなにごと?って。笑

でも、その後(飲み会という場での)対話を重ねていくうちに、気づいたことがあります。それは、「確かに、個人がWILLを発揮できる余白が少なくなっているのかもしれない」ということです。

時間によって折り重なった地層のような記憶

ローンディールという会社も創業から9年が経ち、メンバーも増え、いろいろな成功体験や失敗体験が組織の記憶として積み重なっている。だから何かの方向性を考える時にも、「こういうやり方が、ローンディールらしい」みたいな会話が生まれます。

創業間もない頃は、ローンディールという空っぽの箱の中に、みんながWILLを注ぎ込んでくれて、その集合体が「なんとなく、ローンディール」だったわけです。

ところが今は、そうやってみんなが注ぎ込んでくれたWILLや、それによってもたらされた成功や失敗の記憶が、9年分、地層のように重なっている。(中には、失敗という噴火によって降り積もった火山灰とかも笑)

そうやって「ローンディールらしさ」の方が先にある。だから、時間と共に、個人のWILLを注ぎ込むということが難しくなってきているのかもしれません。

長く会社にいるメンバーは、いろんな層があることを知っている。それに、自分のWILLはすでにその地層の中に注がれているっていう感覚もありそう。でも、先月入った新しい仲間からみたら、ただ大地の上に立っているという感覚しかない。ただ、WILLは注がれていないように見える。こういう違いが、冒頭の感想につながったのだと思います。

現在地は、地層がもたらした豊かさ

そもそも、そうやって地層が増えていくことは悪いことなのか?というと、そんなこともない。むしろそうやって、いろいろな層が折り重なって肥沃な大地となった。そして、事業という芽が育つようになったり、一人ひとりに成長機会を届けられるようになったり、という側面もあるのだと思うんですよね。

そうやってたくさんの地層が折り重なって豊かな大地になったのが、大企業なのかもしれない。(そして地層の奥深くにはたくさんの化石燃料が蓄積されているのかもしれません!)

そういう大地の恩恵を受けているし、これからも時間と共に地層が重なっていくことは不可逆。でも、だからといって、一人ひとりのWILLが発揮できなくなっていくのは仕方ないよねーって諦めるのは嫌ですよね。

地層を突き破ってWILLを発揮するには

どうしたら良いのでしょうか・・・。

たとえば、これまで積み重なった地層を、丁寧に共有していくというやり方が考えられます。社史を作ったりするのもこういうことかもしれませんね。もしくは、全く新しい箱を用意してみる・・・例えば、子会社を作るとか、そういうやり方もあるかもしれない。

でも、思い返してみると、そうやって地層ができてからでも、WILLを発揮してくれるケースというのもあるわけです。そういうケースを思い返してみると、やっぱり個人のWILLとローンディールという組織との接続(事業やミッションみたいなこともそうだし、周りの仲間との関係性もそうだし)ができているんですよね。そして、その接続の新しさが、価値を生んでいる。

だから、どんなに地層が折り重なっていっても、接続しようという動きを止めてはいけない。みんながWILLを発揮してくれることを諦めちゃいけない。そのために、対話をしたり、みんながそれぞれの想いを共有し合えるような仕掛けをしたり、というのが結局は大事なのでしょうね。

ただし、会社には地層がどんどん重なっていく。だから、その方法は、ずっと同じではダメで、時間や規模なんかによって変えていく必要がある。具体的な方法については、またこれから試行錯誤していかなくちゃいけないんですけど、きっとそういう話なんじゃないかな、と思った次第です。

・・・

ということで、「ここが変だよ、ローンディール」という企画から、地層というメタファーが得られて面白かったので、シェアをしてみた次第です。この企画、おすすめです。会社単位じゃなくても、部署異動してきた人にやってもらってみても、良いかもしれません。

それでは!!

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