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アニメ、海外人気タイトルの「持続力」に迫る=ドイツ

2022年のドイツではアニメ『ガンスリンガー・ガール』のブルーレイ・ボックスが発売されました。日本で2003年にTV放送されたアニメ作品です。こういった「根強い人気に支えられた」、「ファン待望」のブルーレイ版の発売に、人気タイトルの「持続力」を見ることができるのではないか、というのが今回の趣旨です。

日経新聞は1月31日付けで、アニメ映画の好調を報じています。『ワンピース』など、ビッグタイトルの状況は伝わってきますが、中堅クラスのアニメがどうなのかはあまり報じられません。

というわけで、筆者は再び、発売状況を集計してみました。2022年にドイツで発売されたアニメBOXは、およそ84タイトル(同作品の別シーズンの重複有り)です。半数近くはここ5年以内に日本で放送され、ドイツでもサイマル配信や各話入りのパッケージ販売がされてきたタイトルです。このうち、00年代と2000年以前を抜き出してみました。

ドイツ語で発表された情報をもとにKatahoが作成

2000年以前の作品では、ベルばら、セラムンなど、日本でも知名度が高い納得の作品が並んでいます。まさに、世代を超える不朽の名作といっても良いかも知れません。そして、その中に『がんばれ!キッカーズ』があるのも興味深いところです。ドイツでは、『キャプテン翼』同様にTVで繰り返し放送された作品で今でも根強いファンがいることを覗わせます。

さて、00年代では、冒頭紹介した『ガンスリンガー・ガール』に加えて、『ブラック・ラグーン』、『クラナド』のBOXが制作されました。このあたりは、世代を超える人気作ではないかもしれないですが、手元に置いておきたいと思うファンが多く存在しそうです。

別のソースも紹介したいと思います。ドイツ語圏の大手アニメニュースサイト「anime2you」は、2022年にドイツ語版の発売が望まれる作品の投票アンケートを実施されました。4ヶ月、10回に分けて、ブルーレイ版が未発売の作品80タイトルをリストアップし、5万票が集まったといいます。ドイツ語圏のファン投票だとかなりの大規模といってよいと思います。このうちTOP5を表にしてみました。(全体結果:ドイツ語)

出典:anime2you

このうち、『とある』シリーズの2作品は、00年代の作品となります。このあたりも、根強い人気を誇る作品と言ってよいのではないでしょうか。ちなみに、2作品はこの投票結果を受けての判断かどうかは分かりませんが、2022年中にドイツ語版のリリースが発表されました。

筆者はこの、パッケージ版の希望アンケートは、一般的な人気作品アンケートよりもより「人気」の実像に迫っているのではと考えています。

単純に好きな作品ということでなく、ドイツ語版が発売されたらお金を出してでも買って手元に置いておきたい、そういう強い意思の現れだと思うからです。

アニメの人気を測る尺度は、ファン投票や視聴率、ブルーレイの販売状況など色々あると思います。

例えば、筆者は昨年、アニメ配信サービスにおける新作アニメのコメント数を分析してみました。今、どのアニメが人気なのかを知る手がかりになると思います。

こういった統計から見える作品は、人気度の「瞬発力」と言えるかも知れません。これと比較して、今回のように10年または20年と支持される作品の人気は「持続力」と見ることもできるのではないでしょうか。

というわけで、今回は「瞬発力」と「持続力」というアニメ人気の測り方について考えてみました。皆さんはどう思われますか?



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