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選ばれるブランドになるためには、あえて「捨てる」

それっぽいことをたくさん言っているけど、結局は何を大切にしたいブランドなのかがわからない…

マーケティング成果が上がらなくなってきたと相談をいただくケースで、多くある課題が、

「たくさん伝え過ぎていて、何を伝えたいのかわからない」

という事象です。

今までやってきたことをやめる・捨てる

では、どうすれば良いのか?

今までやってきたことをやめる・捨てる
発想をもつことが重要です。

マーケティングの世界で「Point of X」を整理する考え方があります。

Point of Xのフレームワーク

3つの要素で整理をします。

1. Point of Difference:差別化要素
2. Point of Parity:同質化要素
3. Point of Failure:捨て要素

この3つの要素の中でも、3. の捨て要素を明確にすることが最も大切であり、できていないことが多いと感じています。

PoXのフレームワークの中の捨て:PoFを明確にする視点をもつこと

コペンハーゲンの脱観光宣言と捨て要素

コペンハーゲンは、観光コンセプトとして「THE END of TOURISM(脱観光宣言)」を打ち出しています。

観光戦略なのに、「脱」と逆説的な打ち出し方になっています。

観光地を巡るTHE観光客でなく
「一時的なコペンハーゲン住人となり独自の地域文化を体験する人を増やす」
面白いコンセプトです。

自分も現地を訪れた際に、コペンハーゲン独自の地元体験の魅力を体感してきました。

コペンハーゲンの自転車体験

PoXの考え方で整理すると、
・捨てる要素が明確

・独自の体験(差別化要素)が明確
となっていることが理解しやすいです。

捨て要素があるからコペンハーゲンは、都市の観光地ブランドを確立できている

環境に配慮できない観光客にNO!を伝えるパラオ

コペンハーゲンと同じ観光戦略を考える上で参考になるのがパラオです。

「パラオ誓約書」を作成して、
パラオに入国するには「パラオ誓約書」をもって環境保護を宣言が必要

観光客が入国する際は、誓約書への署名が義務付けられ、パスポートにスタンプが押される
=
環境意識が低い人は来ない仕組みをつくりオーバーツーリズムや環境破壊を防ぐ

下記の記事でも指摘されている「オーバーツーリズム」の危機。
日本も観光戦略を考える上で、ただ人が来てくれれば良い、伝えられるものは全て伝えよう…の発想からの脱却が必要だと考えています。

世界の観光市場が新型コロナウイルス禍から回復しつつある。同時に新しい観光の形も見えてきた。キーワードは2つ。脱炭素などのサステナビリティー(持続可能性)と、ウクライナ侵攻に端を発するデリスキング(リスク低減)、具体的には脱・中国だ。日本の観光もコロナ前の再現だけを追うと落とし穴にはまる。

引用元:日本経済新聞:インバウンド戦略は2つの「脱」 人数至上主義の転換を

選ばれるブランドになるために、捨てる

選ばれるためには、
「今までやってきたことの何を捨てるのか?」
「業界の常識だと言われていることから、あえてやらないことは何か?」

といった問いと向き合うことで、突破口が開ける可能性があると思います。

ぜひ、PoXの観点でご自身が関わるブランド戦略を考えるヒントにつなげていただけたら嬉しいです。

PoX視点で考えてみよう

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