OPEC合意はとりあえずポジティブのサイン

12月6日、OPECが定時総会。減産継続で暫定合意したと伝えられる。その後、7日には、OPEC参加国とロシアを主とする非加盟国がウィーンで閣僚級会合(OPECプラス)が開かれた。過去5年間ではじめて初日会合で合意に達しなかったものの、大幅減産に乗り気でなかったロシアの歩み寄りにより、日量で120万バレル削減する案で合意した。

日量100万バレルの減産となる場合、6月の増産を相殺するのみとなるので、需給を均衡させるのが目的ならそれ以上の減産が必要となろう、と以前指摘したが、それ対比で見ると、わずかだが、6月の増産を相殺するより多少ましな減産合意に至ったとは言える。しかも、一部盟主国の国際政治的な難しい立場と、ベネズエラとリビアなど国内事情で減産を免れない国などの事情を反映して合意に時間はかかったものの、目先の原油価格にはポジティブな材料と言える。新減産合意は、10月の生産量をスタート地点として、年明け1月から6か月間で達成を目指す。

原油価格を決定するには需給を考える必要がある。中国の景気スローダウンは原油価格には大きな影響をもたらすことは言うまでもない。しかしそれ以上に原油価格は政治的産物でもある。米国のシェールガス増産に加えて、イラン制裁の影響がどうなるか。ロシアの石油企業が減産合意に従うか。など、問題が残る。原油価格が下がれば日本の景気にはプラスだが、グローバル経済はどちらかと言えば停滞の方向に向かう。11月末には一時1バレルあたり50ドルを下回る水準にもなり、金融市場にとってもリスクオフとなりやすかった。

原油価格のそうした状況を踏まえると、今回の減産合意はこうした潜在的な価格下落要因を100%でないながらもかなり相殺できるものではないかと考える。

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