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はやぶさ2が回収した砂と、人工流れ星が生命の起源を解き明かす可能性について

はやぶさ2とパンスペルミア説

はやぶさ2がとってきた物質の解明が進んでいる。小惑星リュウグウから地球へ持ち帰ったサンプルの砂から、アミノ酸が発見されたとのこと。


地球上の生命は、地球上でできた説と、宇宙から飛来してきた説(パンスペルミア説)があるが、パンスペルミア説の裏付けとなるかもしれない。

※アミノ酸は生命に必要な物質であり、生命そのものではないので、パンスペルミア説が即肯定されるわけではないことに注意。

2014年に打ち上げられたはやぶさ2、2019年にリュウグウでサンプルを取った後、2020年12月6日に、サンプルを入れたカプセルが地球に帰還した。はやぶさ2本体は、はやぶさ2のプロジェクトサイトによると、いまは地球から221,446,747km(2022年6月6日現在)離れたところを旅しているらしい。

ALEの流れ星とミッション


我々ALEは、人工的に流れ星を作る事業を行っている。人工流れ星をビジネスに、というと、エンターテインメント事業だと思われがちなのだが、それだけではない。ミッションは「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」こと。
もちろんエンターテインメントが持つ可能性は多大だ。流れ星を見た人たちに科学や宇宙に興味を持ってほしい、多くの人を引き付けるきっかけとしてエンタメの力があると考えている。
そしてさらに、流れ星が流れる軌跡から、中間圏の大気データを収集すること、そして自然の流れ星から太陽系の起源や、生命の起源を探りたいというモチベーションがある。
実は我々の流れ星プロジェクトには、たくさんの研究者の方々からの応援をいただいている。日大の阿部新助先生を筆頭に、我々の人工流れ星を観測する、世界中の流れ星の第一人者からなる観測チームができている。

※ちなみに阿部先生は、はやぶさ、はやぶさ2,両プロジェクトにかかわっていらっしゃる。はやぶさが2010年6月13日に帰還した時に、オーストラリアのウーメラ砂漠で、「おかえり~ おかえりはやぶさ~~~」と叫んでいる声が入っていたのだが、叫んでいる張本人である。


流れ星と隕石と小惑星

流れ星と隕石、そして小惑星の関係をご存じだろうか。
実は流れ星と隕石はほとんど同じ。燃え尽きたら流れ星と呼ばれ、燃え尽きずに地上に届いたものが隕石と呼ばれている。そして隕石も流れ星も、小惑星が起源であるといわれている。
つまり、隕石や流れ星を調べることで、小惑星の謎も解けるかもしれない。

地球上に飛来した隕石からアミノ酸が見つかったことがあるらしい。これもパンスペルミア説を裏付ける証拠の一つとなりえる。アミノ酸のような有機物は、熱に弱いため、大気圏に突入するときに、そのままの形を保っているのが難しい。
流れ星は燃え尽きてしまうので、その成分がなかなかわかりにくい。流れ星に含まれる物質は、分光観測といって、地上から、流れ星の光を波長ごとに強さで示したもので調べる。いつ起こるかわからない流れ星に分光器を向けて解析し、どんな物質が含まれるか調べるのだ。
また、いつ流れ星が流れるかを予測することも難しい。

しかし我々の人工流れ星を使うことによって、天然の流れ星の不思議に迫ることができるかもしれない。
我々の人工流れ星を物差しとして使うのだ。

しし座流星群のスペクトルデータ 阿部先生より


ものさしとしての人工流れ星

我々の人工流れ星は、材質、起こるタイミング、スピード、場所、すべて事前にわかる。(自分たちで作るので当たり前である。)例えば材質にアミノ酸を混ぜて、天然の流れ星と比較することで、天然の流れ星に含まれるアミノ酸がわかるかもしれない。(前述のように、アミノ酸は熱に弱いため、分光観測をしたときに、きっと窒素や、酸素、水素などの熱で分解された後のスペクトルデータになって見えることだろう。というわけで、おそらくどのようなアミノ酸が多く含まれていたかなどを調べるのは難易度が高いが、もしかしたら可能性はあるのではないか。)

そんなことを、はやぶさ2のニュースを見ながら、ワクワクしながら思い出していた。
宇宙は本当に、知らないことだらけで、考えているだけで楽しい。

以上いろいろ話したのは、全て、「かもしれない」という可能性の話である。しかし、そんな可能性を感じながら、我々の事業が少しでも科学の発展に役に立てればと願ってやまない。


※6月10日追記
Scienceにリュウグウの解析結果の一部が公表されてますね。
Samples returned from the asteroid Ryugu are similar to Ivuna-type carbonaceous meteorites
CIコンドライト的物質だとのことです。

https://www.science.org/doi/10.1126/science.abn7850



https://www.asj.or.jp/jp/activities/geppou/item/115-6_349.pdf


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