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シリアル化の威力:新たな年を迎えて

明けましておめでとうございます!
新たな気持ちで今年も前進していきたいですね。

BeBitの遠藤社長に勧められて、年末から『イノベーションスタック』(ジム・マッケルビー)を読んでいます。とても良い本で、多くの人に文句なしに勧めたいと思いました(遠藤さんありがとうございました!!)

著者のジム・マッケルビー氏は、「スクエア」というスマホ装着デバイスでのカード決済の会社の創業者です。スクエアは、ツイッターの創業者、ジャック・ドーシー氏も創業に関わった会社です。

内容が素晴らしいだけでなく、その書きっぷりがとてもイケてます。是非ご自身で読んでいただきたいですし、その意味で、あまりネタバレになるようなことは書きたくないのですが、ちょっとだけ書きます。

自身が行ったスクエア社に加え、バンク・オブ・アメリカやイケアなどの創業と発展が、著者の「イノベーションスクエア」という考え方で説明されます。

このイノベーションスタックとは、新たな工夫を積み上げることの重要さを表現したものです。人まねでは解決できない新たな課題を解こうと起業する時にまず大事なのは、リソースの限られる中で、重要な突破口を工夫して突破することです。そうすると、次の越えるべき重要課題が顕在化するので、それをさらに突破します。このように、課題を突破することによって新たに出現する新たな課題をシリアルに突破していくことに重要性を説いているのです。シリアルに一つ進んだら、それを踏まえて次にやるべきことを行う。これを繰り返すのです。

このように仕事をシリアルにやることの重要性は意外に認識されていないと思います。

このシリアルなアプローチの逆はパラレルに行うことです。パラレルに仕事を分割することは広く行われています。依存関係がない仕事を分解し、それぞれのタスクを担当で分担する仕組みです。これが、計画やWBS(Work Breakdown Structure)という考え方の前提にある考え方です。

しかしそこには、様々なタスクの依存関係を事前に予想できるという前提があるのです。

これが実は、この本に記載されている例でも、私の経験上でも、ほとんどの場合、間違っているのです。何かを前進させると、状況が必ず変わり、解くべき課題も変わります。一見独立に思えたことに依存関係が出現するのです。だから、やるべきことは変わるのです。

N個のタスクをパラレルに行うと、たかだかN個の足し算の結果にしかなりません。N個をシリアルに行うと、N乗の結果を生むのです。

このシリアルの効果は複利計算の効果なのです。例えば、毎週2%だけ前進していても、1年(52週)これをシリアルに繰り返せば、1.02の52乗=3倍になります。この複利計算が直感と反する伸びを示すことこそ、高利貸しの恐ろしさの源泉です。この複利計算の威力は、我々の仕事も人生でこそ、もっと活用すべきだと思うのです。

このような連続したシリアルな苦労を通して見出した解は、実は、周りから真似されにくい、独自の価値のあるイノベーションになっていくのです。その課題をなぜ解かなければいけないかという切実な状況であみ出された答えはその状況になっていない人には真似できないものなのです。

私の雑文よりもとっても楽しい書きっぷりで『イノベーションスタック』は書かれていますので、一読をお勧めします。

旧年中、私も(株)ハピネスプラネットも多くの方々に大変お世話になりました。シリアルに、そして複利計算で、前進していく所存です。本年もなにとぞよろしくお願いします。

本年が皆さまにとって幸おおき年となることを祈念いたします。



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