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「skiing」の意味を考えると、マーケティングにつながる


昔はスキーに、よく出かけたものです

私は、札幌出身の50代です。小学校の時代から、体育にはスキー授業があり、目の前に、小さな山があったこともあり、私にとって、冬はスキーで遊ぶのが普通でした。幼少期の頃は。そして、リフトがある近くの藻岩山スキー場に、ほぼ毎日のように滑りに出かけた冬休みもありました。

小学校から、高校までは、冬はスキーで遊ぶもの。そして、スキーの技術を磨き、今まで滑られなかった急斜面や、コブ斜面を、きれいに滑ることが、私のスキーの目的でした。

つまり、その頃のskiingは、一種のゲームのようなものでした。今までクリアーできなかった斜面を、クリアしたかったのです。

思春期後半と、あるスキー映画の出会い

そのskiingの意味に、大きな変化が登場したのは、原田知世さん主演の映画「私をスキーに連れてって」(1987年)です。私は、この映画を正直、映画館で見たことはありません。しかし、この映画のインパクトは強く、skiingの意味に変化が生じたのです。いつか、好きな人とスキーに出かけたい。

skiingが、いつしか「恋愛RPG」に変わり始めたのです。それが、実現し、ゲームをクリアできたかは別として。

いつしか、スキーは旅行のアイテムの一つに

社会人になり、私は札幌を離れ、東京に住むようになり、スキーが気軽なスポーツ、遊びから、週末のレジャーに変わりました。金曜日の夜に東京を離れ、日曜日に東京に戻ってくる、Weekend Skierになったのです。

もちろん、スキーはするのですか、いつしか、スキーの後の宿や、温泉、食事、さらには現地まで交通の便利さが、スキー場の選択肢の大きな理由になりました。

中学生の頃の、「難しい斜面」「面白斜面」選びから、優先順位が変わったのです。

スキー観光関係者は、スキー人口が減ったと嘆きますが。

近年は、スキー人口は確かに減っているでしょう。その大きな理由は、人口減少、さらにレジャーの多様化です。しかし、重要なことは、スキー人口が多かった時にも、純粋なskierは少なかったのです。温泉の合間のskiingもあれば、夕食のおいしいお酒のためのskiingもあったのです。

ビジネス・パーソンは、「スキー旅行の活性化」のために、「スキー場」という製品の改良を行いたくなりますが、お客様であるskierのカスタマー・インサイトは、十分行ったのでしょうか?これが、今回のタイトルの、「skiing」の意味を考えるにつながるのです。

面白記事がありました。

世界的スノーリゾートを抱える北海道のスキー場で、利用頻度に応じた価格設定が広がり始めた。訪日外国人(インバウンド)ら一見(いちげん)さんには、雪山を貸し切って滑れる200万円コースなどのプランを用意。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFC2857B0Y3A121C2000000/


みなさんは、雪山貸切るお客様は、スキーが得意だと思いますか?私には、「スキー場で沢山写真を撮りたい人」「少ないスキーヤーの中で、安全に滑りたい人」「家族との思い出を作りたい人」などが連想されます。

スキー観光の復活は、スキー場の復活ではなく、スキーに来る人の理解が要

今、多くのスキー観光産業は、下降局面にいます。さまざまなマーケティングを行っています。スキー場までの交通費を安くする。リフトの料金を安くする、などさまざまです。

しかし、安ければ来るのでしょうか。まずは、スキー場に来るお客様の、本当にスキー場に来る理由を理解しましょう。スキー場に来る理由の中で、スキーが占めている率はどの程度なのでしょうか?他の優先事項は何でしょうか?

次に、その他の理由の多様さも理解しましょう。お客様にとって、skiingは、本当にスキーをすることなのか、この素朴で、シンプルな問いこそが、スキー観光のマーケティングのスタートなのです。

そして、この問は、私が一番最初に就職した会社で、された問なのです。その問は、「人は、なぜ洗濯するのか?」です。2023年から2024年になる今、私はこの問に直面した頃と、違う答えがありそうです。さぁ、2024年も、マーケティングを楽しみます。

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