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ドイツが迷走しているように見える。イースター休暇の前に厳格なロックダウンを導入しようとしたメルケル氏は、寸前でその撤回を余儀なくされた。しかし、ドイツのコロナ新規感染者数(7日間移動平均)は4月9日時点で10万人中110人まで上昇し、“やはり”ロックダウンをするべきだった、という雰囲気に見えた。

13日には、ドイツ政府は新型コロナウイルス対策の規制措置を実施する権限強化法案を閣議決定。人口10万人あたりの感染者数が100人を超えた地域では、夜間外出禁止や一部を除き店舗閉鎖などを実施することが可能になる。基準値を超えた場合には、連邦政府の決定に州政府は従わざるを得ない、という仕組みに持っていく。まだ下院や上院の承認が必要で、決まったわけではないが、要はドイツがコロナ感染動向によって、ドイツでさえ右往左往しているということは明らかになった。

内閣支持率と新型コロナ感染者数、コントロール具合と相関関係がある、という評価も出始めている。ドイツメルケル首相は、コロナの抑制が完全にできていないことやメルケル首相の次候補がなかなか決まらない体たらくが続き、結果、政治が揺らぎ始めていることにやきもきしているといったところである。

ドイツですら、ということになる。ドイツは財政でも余裕がある上、欧州でのリーダーシップも取っている。ドイツが揺らぐようでは次世代EUの成功も覚束ない。来週にもメルケル首相の後継者が決まると言われているが、現状では、ラシェットCDU党首とゼーダーCSU党首のどちらか、に決まるらしいものの、緑の党から出てくることも考えられるなど予断を許さない。逆に言えば、それだけドイツの政治が揺らいでしまっている、ということだ。財政は緩和策を継続するドイツは、それだけ財政に余裕があるともいえるが、人気取りをしないと政治が安定しない厳しい状況にある、ということでもある。心配だ。


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