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高騰するサーモン価格 「サケを生むニジマス」が救世主に

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

みなさん、サーモンは好きですか? 安くて美味しい寿司ネタとして回転寿司では不動の人気を誇っていますが、最近では100円の皿に乗ることはなくなっているようです。

回転ずしで人気1位のネタ「サーモン」の国際相場が上昇している。世界的な需要増でノルウェー産の輸出単価は3年間で2倍に上昇。4月には過去最高値を更新した。日本は生のサーモンの8割強を輸入に頼り、外国為替市場で進む円安も価格上昇に響く。輸送費が安く高鮮度な国産サーモンに商機が訪れている。

マルハニチロが毎年実施する「回転寿司(ずし)に関する消費者実態調査2024」で、最もよく食べるネタとして「サーモン」(50.6%)が13年連続で1位になった。2位の「マグロ(赤身)」や3位の「ハマチ・ブリ」を引き離し「不動の人気No.1」(同社)だ。価格が手ごろで、脂のりが良いことが人気の理由だ。

日経電子版

サーモンだけの話ではありませんが、安い寿司ネタのほとんどを輸入に頼っているのが現状です。近年の国際的なサプライチェーンの混乱や円安などの要因により、輸入のほうが安くできるという長年の常識が壊れつつあります。

また、寿司(SUSHI)が世界的に人気になっているという背景も影響しています。仕事柄よくアメリカ西海岸に出張に行きますが、年々「Sushi Rolls」(巻物)の存在感が高まっているのを感じます。以前も高級スーパーなどにはおいてあり(いわゆる、カリフォルニアロールですが)、日本食が恋しくなったときの救世主だったわけですが、近年ではヘルシーなファストフードとしてどのスーパーでも見かけるようになりました。ここでもサーモンは一番人気ですね。

サケの生態として有名なのが、産卵のために生まれ育った川に戻ってくる(遡上)というものです。疲れ果てた身体にムチを打ちながら産卵を果たし、目的を達して死んでいく姿は見ているものの哀愁を誘います。

一方で養殖の視点で見ると、一度産卵をすると死んでしまうということはあまり効率の良い話ではありません。何度も産卵してくれれば生産量もあがり、輸入ものと対抗できるコストにできるかもしれません。

そんな夢を叶えてくれそうな技術が開発されました。

サケの仲間であるマスノスケ(別名キングサーモン)は成魚になると、海から生まれ育った河川などに戻って産卵をする。性成熟には3〜7年ほどかかる。精子や卵は生涯で一度しかつくれず、産卵を終えると雌雄どちらも死ぬ。

サケ科のニジマスは毎年産卵できる能力を持つ。研究チームは遺伝子を改変できるゲノム編集技術で自らの生殖細胞を作らないニジマスの稚魚を作った。その稚魚にサケから精子や卵のもととなる「生殖幹細胞」を取り出して移植した。

稚魚は雄では1歳、雌では2歳で性成熟し、サケの生殖細胞をつくるようになった。生殖幹細胞は雄に移植すれば精子、雌に移植すれば卵をつくり、受精させると健康なサケが誕生した。

日経電子版

詳しくは記事をみていただきたいのですが、図にしてみると脳がバグったような気持ちになります。

日経電子版記事より(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOSG13A6O0T10C24A5000000/)

最近のバイオテクノロジーはすごいですね!


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タイトル画像提供:JOB DESIGN / PIXTA(ピクスタ)


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