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「おもてなし」は世界の共通語に サービス産業は輸出できるか

こんにちは、電脳コラムニストの村上です。

今日ニュースをチェックしていたら、こんな記事が流れてきました。オックスフォード英語辞典に23の日本語由来の単語が追加されたそうです。

Katsu, donburi and onigiri are among 23 Japanese words added to the Oxford English Dictionary in its latest update.

More than half of the borrowed words relate to food or cooking. Santoku, a knife with a short, flat blade that curves down at the tip, and okonomiyaki, a type of savoury pancake, were both added. Okonomiyaki is derived from okonomi, meaning “what you like”, combined with yaki, meaning “to fry, to sear”.

The Guardian

「カツ」「ドンブリ」「オニギリ」など、新たに追加された単語の半分以上は食や料理に関するもので、日本食文化への関心の高さが現れています。伝統工芸に関するものも追加されており「Kintsugi(金継ぎ)」や「Shibori(絞り染め)」などが採用されました。

特に目を引くものに「Omotenashi(おもてなし)」があります。東京五輪招致の最終プレゼンテーションでは、滝川クリステル氏が「おもてなし」を日本独自の強みとして効果的にアピールしたことで大変話題になりました。

特にサービス業でのおもてなしには定評があり、インバウンド観光においても海外ゲストの驚きと感動を与えています。これは長らく根付いている文化でしょう。日本一のおもてなしと言われる石川県の老舗旅館「加賀屋」では、能登半島地震の非常時であっても一流のおもてなしを提供したことが絶賛されました。

翌朝、自社のマイクロバス11台に自家用車のない約220人の宿泊客を乗せ、通常の2倍となる3時間かけて金沢駅まで送り届けた。移動に時間がかかるとみて出発前にトイレを提供。断水していたが従業員がバケツリレーで敷地内の掘割から水をくみ、宿泊客に渡した。最後のバスが出発したのは午前11時30分。全従業員が旅館の外に出て列をつくり、見送った。

加賀屋の対応は「さすが日本一のおもてなし」とSNSなどで大きな反響を呼んだ。道下支配人は「日ごろからお客様にできることは何かを追求してきたからこそ、従業員一人ひとりが考えて動けた」と胸を張る。

日経電子版

コロナ禍を乗り越え、円安の追い風も吹く中でようやく回復基調となってきた訪日観光客。日本流のおもてなしはゲストの心をつかむことに成功しており、さらなるアイデアでこの波をつかむアイデアが続々と出てきています。

古くは江戸時代のお伊勢参りの周遊コースでもあった大阪・京都には、新型コロナウイルス禍が和らぎ、国内外の観光客が戻ってきた。円安の追い風を受けてインバウンド(訪日外国人)の消費も増加するなかで、ホテルは文化財や寺院と融合し、日本固有の文化を打ち出して富裕層の取り込みを急ぐ。

日経電子版

このようなおもてなしや文化を体験した訪日外国人は、日本の良さを海外に発信してくれるアンバサダーとなっていくでしょう。日本の現場力が生み出した高品質なハードウエア製品が世界を席巻したように、おもてなしを中心としたソフトパワーは今後の日本にとって強力な「輸出製品」となる可能性を秘めています。

7月に関西広域連合、関西経済連合会と連携し「文化の力で関西・日本を元気に」というプラットフォーム共同宣言を出した。ここでうたったのがCBX(Cultural Business Transformation)だ。経済と文化の好循環で〝稼ぐ文化〟の実現をめざす。メセナではなく、投資という発想だ。関西経済界と一緒に文化を基幹産業の一つに育てリターンを得ていきたい。

好循環の芽も出てきた。8月に文化庁と連携したアートも楽しめるロックフェス「サマーソニック大阪」。観客は9万人に達しスポンサー企業の販促につながった。現在開催中の「KYOTO CMEX2023」は映画・映像、アニメ、ゲームなどコンテンツの見本市的な祭典。コンテンツを発信し、世界に輸出するきっかけにしてほしい。

日経電子版

歴史や文化、それらに紐づく美術がいきいきと途切れることなく現代につながっている国はアジアでは珍しいことです。特に目の肥えた富裕層の注目を集めています。その中心には日本特有のおもてなしの心が存在しており、これをどうやって広めていくか。まさに京都に移転した文化庁にも旗を振っていただきたいと思います。


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タイトル画像提供:Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)


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