顧客体験を向上させる部門協同アプローチ
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顧客体験を向上させる部門協同アプローチ

遠藤 直紀(ビービット 代表)

ここ数年、企業の競争は顧客体験の優劣で決まると言われるようになってきています。

ハーバード・ビジネス・レビューの2022年7月号は「顧客体験を変える」がテーマになっています。

顧客体験を向上させる目的は顧客との関係性を強めて安定的かつ長期的なお付き合いを実現するためです。この関係性を定量的に示すために、顧客満足やネットプロモーター、継続利用意向が顧客ロイヤルティ指標として用いられます。

この顧客ロイヤルティ指標を向上させるためには、そもそもどんな要素に影響をされているのかを理解する必要があります。そこで、その要因となりそうな事項をドライビングファクター(DF)として項目化して計測を行います。

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各DFごとにこの数値の責任者を関係部門に割り当て、改善活動を推進していくのが一般的なやり方です。縦割り部門での分担は調整が少なくすむため、この活動形式が好まれます。

しかし、ある程度の成果を出していくと壁にぶつかります。各DFの満足度がなかなか上昇しなくなるのです。それは単一部門で解決できる課題は限られ、多くの課題は複合的な理由で発生しているためです。

例えば、ウェブサイトでの誘導方法が分かり難いためにサポートセンターに電話するときには既に怒りを覚えていて、結果的にサポートセンターへの満足度が低くなるお客さまがいらっしゃるとします。この問題をコールセンターだけで解決することは困難ですし、効率的でもありません。ウェブサイトとサポートセンターが連携すれば容易に解決が実現できます。

つまり各DFに表出する数値の要因は多岐にわたっていることが普通で、関連部署と協同して改善活動を推進しなければなりません

しかし、それぞれ各部門は、持ち場で忙しいものです。自分たちがなぜ、何のために他部門と一緒に動く必要があるのか納得してもらうのは容易ではありません。

ここでコーディネーション機能が必要となってきます。

影響範囲を適切に見積って、意義のある座組みを実現するためには、まず活動のテーマが明確でなければなりません。

また、活動自体が勝ち馬でなければ見向きもされないため、活動成果を確実にしていくことが求められるため、活動初期には勝ち筋が見い出せるテーマを選定したいところです。

そして一度に多くの活動は推進できないため、重点テーマの選定が肝になります。

つまり顧客体験を向上していくためには、活動のコーディネーションを目的とした横ぐしの機能部門を立ち上げ、重要度の高い領域を定め、部門協同での問題解決を推進することが求められます。

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遠藤 直紀(ビービット 代表)

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遠藤 直紀(ビービット 代表)
エクスペリエンス設計を支援するビービットの代表( https://www.bebit.co.jp/ ) 鳥取県米子市出身、横浜国立大学経営学部卒業。TED 貢献志向の仕事( https://www.youtube.com/watch?v=FUTi1At5B-o )