これからの日本 けっこう楽しみ
5年後もっと豊か? 「YES」日本だけ半数割れ
ちょっと悲観的なタイトルの日経記事だ。
「5年後、今より豊かになっていますか?」 アジア中心に世界の読者約2600人に聞いたところ、「豊かになる」との回答は日本が約44%と13カ国・地域で唯一、半数割れとなったらしい。
「自国に生まれて幸せか」との問いには日本が89.3%が「幸せだと感じる」と答え、世界平均84.3%よりも現状に満足していた。
そして日本はタイとともに、競争より安定を求める。競争を好む米国、ベトナムと対照的だ。
「米国と中国はパートナーとしてどちらが重要か?」は、アメリカを選んだ世界平均67.9%に対し、日本は92.5%と圧倒的にアメリカ依存だ。
面白いのは、20代以下の若い世代で、世界では自国優先のリーダーを半数以上が求めているのに対し、日本は60%以上が協調を重視している。30~40代で、世界平均を大きく上回って、自国優先のリーダーを求めているのとは、対照的だ。
日本人の特徴 そのまますんなり悲観的に見ると
将来に悲観的
現状満足、安定志向で、冒険心・競争心がない
米国一強時代は終焉したのに依然、米国頼り体質から抜け出していない
他国の若者は自国優先のリーダーを求めているのに、日本の若者は協調路線で平和ボケ、危機意識がない
などと日本人をネガティブに分析し、危機感を持ち、変化・行動の必要性を考えさせてくれる記事と思えた。でも。。。
ひねくれ者の自分は、敢えてひねくれてポジティブに見てみる
賢い! 将来に悲観的なのは、このままじゃいけない。変化が必要とちゃんとわきまえている
謙虚! 足るを知っていて、現状に感謝できている。
平和主義で、調和を大切にする。アメリカも中国も問題はあるけど、やっぱり民主主義・自由は大切にしたい。だからアメリカを選んだ。
特に20代以下の若者が、自国優先のリーダーを望まないのは、平和ボケとか、遅れていると悪く言うより、優しい日本の若者と捉えたい。
これからの日本 けっこう楽しみ
厳しく自己採点するのは簡単だ。でも、それではつまらない。ヒネクレ視点で、少々下記のようなスパイスを加えて、日本人の特性を逆手に取ると、将来の日本、そして日本人の活躍、けっこう楽しみかもしれない。
ユニークな存在であることを自覚して、喜ぶ
日本人は個性が少なく自分自身をつまらない人間だと思いがちだ。謙虚だから自分を厳しく評価する。内向的な僕は、日本人の中でもさらに強くそう思っていた。でも、実は外から見たら、日本人はかなりユニークに思われていた。島国だから、ガラパゴス化によって他とは異なるユニークな独自文化、思想が進化した。世界から見たら非常識な、ユニークな存在だ。変な奴だ。個性を出したいのなら「変な奴」は喜ばしいことと自覚する。
厳しい競争社会で、競争よりも調和を重視する「おめでたい」日本人。世界では貴重な存在だ。足るを知り、感謝があるから、謙虚で礼儀正しい。約束を守る。時間に正確。仕事をする上で日本人はパートナーとして最高だ。人間関係を大切にできるから、一緒に働きたいと思う。少なくとも利用したいと思う。日本人は、お人好しのいい人だ。競争社会では、お人好しは使われ損と思われがちだ。しかし、世界は今、お人好しギバーは結果的に膨大なベネフィットを得ると理解し始めた。競争社会で世界の人が戦略的にギバーになろうとしている。しかし、戦略的ギバーはどうしても見返りを意識してしまう。お人好し日本人は、見返りなど気にせずに自然とギバーができる。世界はそんなギバーを求めている。Win-Winの関係を築く能力に優れている。不調和が生まれた際に、落としどころが探れるユニークな貴重な人材だ。「変な奴」に分類されることを恐れずに、喜べば、外に出て、ユニークな存在として貴重がられる。
安定志向をうまく使う
安定志向を逆手にとる。安定志向の日本人。その中でも、僕は超怖がりの臆病者だ。怖いこと、辛いことは可能な限り避けたい。人生最大の超怖いことは絶対に避けたい。何が人生最大の超怖いことか? それは、人生の最後に悔やんでも悔やみきれない悲しい思いをすることだ。リスク回避のあまり「行動しない」を選択し続け、最後の最後に悔やんでも悔やみきれない悔しい残念な人生で死ぬことほど怖いことはない。それを怖がりの自分に「怖いだろ」と言い聞かす。行動することは確かに怖い。行動して失敗したら嫌だと思う。でも、リスク回避のあまり「行動しない」を選択し続け、最後の最後に悔やんでも悔やみきれない人生となる怖さよりは、ずっとマシだ。それを、落ち着いてロジックで理解する。そうすれば、仕方なしに「行動する」ことを選ぶようになる。行動すると、それが成功しても、失敗しても、その先にちょっと成長した自分がいる。繰り返すと、行動の後に成長がある体験が蓄積される。リスクをとる時、その先にある少し成長した自分をイメージしながらワクワクしている自分に気づくようになる。怖がりの臆病者でも、ロジックで理解すれば、行動のスパイラルが回せるようになる。
安定志向の日本人だから、少々大胆なリスクをとっても大丈夫だ。大胆過ぎると思ったくらいでちょうどいい。自分では、勇気を振り絞って超リスキーな行動を選択をしたように感じても、もともと臆病で怖がりだから、破滅的な結果をもたらす大きなリスクはとっていない。というか、とれない。実はかなり控えめだ。とても合理的・現実的な道を選んでいるだけだ。他国のぶっ飛んだリスクテイカーからみると、依然、安定志向の日本人。勇敢な行動をとる勇気ある日本人になったと勘違いしているが、自分でマネージ可能なリスクだけをとりながら堅実に成長しつづける依然安全志向な日本人だ。
罪悪感をパワーにする
個人より世間重視で、世間体を気にする恥の文化の日本人は罪悪感を持ちやすい。テストの成績が悪いと、自分のために一生懸命働いてくれている親をがっかりさせたと罪悪感を持つ。親が期待していた道とは外れて、違う道に進むと、育ててくれた親を裏切った罪悪感を持つ。上司や先輩が仕事を教えてくれたのに、覚えが悪くて、なかなか貢献できないと、上司や先輩の期待に応えられない罪悪感を持つ。転職すると、一緒に働いてきた仲間を裏切った罪悪感を持つ。プロジェクトチーム内で問題を起こすと、仲間に迷惑をかけた、プロジェクトが遅れたと罪悪感を持つ。誰でも罪悪感は持つのだろうが、同調圧力が強い社会で生きてきた日本人は、他人よりも自分を通す時、回りの期待から外れた時、迷惑をかけた時、大きな罪悪感を持つ。罪悪感は不健康な側面ばかり捉えられる。しかし、大きな罪悪感は実はすごいパワーになる。裏切った親、上司、先輩、仲間に申し訳ないから、彼らに少しでも喜んでもらいたいから、その先で全力を尽くそうと思う。「何やってんだ、俺。これっぽっちの頑張りじゃ、裏切った仲間に申し訳ない。もっと全力出せるはずだ」と罪悪感は自分を鼓舞してくれる。アメリカで働いてみると痛感できる。日本人は、この罪悪感パワーがめちゃくちゃ強い。そして回りはそんな日本人をとても重宝してくれると。
これからの日本
取り上げた記事は、「逆転の世界」と題したシリーズの中のひとつだ。戦後から再度戦争、民主主義からポピュリズム、グローバリゼーションから自国優先と、世界が逆回転しているらしい。「日本はそれに備えよ」と警鐘を鳴らしてくれている。常識なしの僕には、過去に逆回転していると捉えてよいのか?あるいは、新たなこれまでにない別の時代への移行期なのか?よくわからない。
そんな時代に日本人はどうすればよいのか? 日本人としてくくって議論することが、どれだけ意味があるのか? 個人のマインドセットを重視した方がよいのか? わからない。でも、どうせくくって評価するのなら、そこに見える日本人の特徴を悲観的に見るより、特性と見てそれを逆手にとって強みにできるのでは?と思った。「逆転の世界」なのだから。