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 みなさま、こんばんは。エコノミストの崔真淑(さいますみ)です。

 今年に入り、AIという言葉が過剰な期待やブームでなく、普通のツールや言葉として使われているというのを肌で感じます。株式市場を見ると、AI関連のIPO件数をみても、ビジネス需要の増加を感じます。特に気になる分野は、「AIと人事マネジメント」です。お勤めの方の状態や日々の活動から、生産性分析や異変をキャッチするなどがあります。なかでも興味深いのは、FTで紹介されている金融業界のAI人事の話です。


ここでは、巨額資金を動かせるトレーダーを対象に、損失隠しを行う誘引や不正取引の兆候をAIが検出して、未然に防ごうというのです。具体的には、コラムにはこのように記載されています。

不正を行う可能性の高いトレーダーを予測するための同社のツールは、会話の口調を監視したり、借り手の信用力を示すクレジットスコアの変化を利用したり様々なことをするという。

 このコラムをよんだ時に頭に浮かんだ映画が二本ありました。1つはマイノリティリポートです。映画ではAIではなく超能力者が犯罪を予知して、まだ犯罪を犯してない犯罪者を捕まえるというものです。上述のトレーダーにしても、まだ不正が起きてない時点で待ったをかける仕組みですが、この取組みが普通になれば、公共の意思決定にも当然のように使われ始めるのかもしれません。まだ起きてないのに罰する… 信用スコアリングが当然のように使われ出す社会になると、当然になるのかもしれません。


もう一つの映画は「紙の月」です。実話をベースにした映画ですが、女性行員が好きな人に尽くしたくて横領を繰り返してしまうという悲しい映画です。AIが行員の行動をくまなくチェックできるようになると、このようなこよは起きにくくなるのかもしれませんね。この舞台になった銀行で役員をされていた方に、銀行行員の横領について聞いたことがあります。その方曰く、男女で横領するきっかけには違いがあるとか。男性は自分の欲望を満たすために使い、女性は好きな人に尽くすために使うと… 興味深い見解です。もしかしたら、既にAIは男女の違いなんていう変数も駆使して不正を見つけることをしているのかもしれませんね。


行動がどんどん透明化されるなかで、経営も国家も全ての組織におけるマネジメントが変化しそうな気配です。それは幸せなデータ奴隷を生むのか、それとも逆か…今後が気になります。

今日もよんで頂きありがとうございます!応援何卒よろしくお願い致します!

崔真淑(さいますみ)

 


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