女も男も「世の中ね、顔かお金かなのよ」の時代へ(回文)
10/16に公開した東洋経済オンラインの以下の記事が大いにバズりました。
内容は、未婚女性の結婚相手に求める条件のうち「男の容姿」が最近急上昇しているということ。しかし、勘違いしてはいけないのは、上昇率が大きいのであって絶対的な1位ではない。条件としては相変わらず「経済力」が1位である。ポイントは、かつてそれほど重視されていなかった「男の容姿」が急上昇して過去最高値となり、男が求める「女の容姿」よりわずか0.1ポイントとはいえ上回ったということである。
一方で、男の側が求める「女の経済力」も急上昇している。つまりは、男も女も結婚相手に「金も顔も」求めるようになった、というのがこの調査を見る面白い着眼点なのである。かくして、この記事のタイトルに書いたように「世の中ね、顔かお金かなのよ」という回文通りになる。回文とは上から読んで下から読んでも同じになる文のこと。
ちなみに、私以外で普段結婚関連の識者ヅラをしている人でこの部分に着目指摘している人は、知る限りいない。
誰も着目しない視点だけではなく、それをそれだけで見るのではなく、他の統計と組み合わせて分析するから納得性も高まり、だからバズるわけですが、ヤフーでもコメント数が939件にもなっている。
ネットでバズるとテレビ局から連絡がきます。番組のネタにしたい、と。かれこれ、私の記事を起点としたニュースコンテンツは過去何回もあります。以前より何度か出演しているテレ朝「グッド!モーニング」から依頼を受けて、本日10/17に専門家としてリモート出演して解説しました。
番組の内容はこちらのテレ朝のサイトで確認できます。
すると、今度は、最初の東洋経済の記事には接触はしなかった層が、テレビというメディアによってはじめて接触し、今日また再バズりをしています。
面白いもので、「ネット記事を見てバズるネット直接型の人」と「テレビでネットのバズりネタが取り上げられてはじめてバズり始めるテレビ経由の間接型の人」とがいて、双方は決して普段のネットの中でもあまり交わらない。
ネット時代だとか、テレビはオワコンだとか、いろいろ言われていますが、元メディア業界に端っこにいた人間としては、まだまだテレビというメディアの力は大きい。ネットだけでいくらバズっても、テレビなどに取り上げられないと知らないままという世界の人たちも大勢いるのです。
とはいえ、テレビのニュース番組だと1コンテンツせいぜい2-3分の中に納めないといけないので、どうしても全ての情報も網羅できないし、切り取りになってしまう。テレビ経由の人は基本その一部の情報だけ持ち帰るので、元々記事ベースで触れた人とは情報量が違う。かくして、同じ情報に触れた者同士なのに、触れた順番が違うだけで印象がガラリと変わってしまう場合も多いのである。
さて、では、この「女が男の容姿を求め出した」というコンテンツがこんなにバズるかというと、みんなそれぞれに何かを言いたいという琴線に触れたからです。バズるというのは、大勢がそれに対して賛否含め物言いをしないとバズらないものだから。否だけだと炎上になりますが、賛だけではバズりません。賛否含めて「俺は、私はこう思う」と書きたくなるものがバズるのです。
かくしていろいろな意見がネットを駆け巡っているわけですが、それこそ一般の人の「うちらの周りでは…」話から、婚活業界関連から、恋愛系の詐欺的サロンで儲けようとしている界隈から、進化心理学的な識者から、経済学者的簡単から、「政治が悪い」という界隈から、非モテ男界隈から、美容整形界隈や筋トレ界隈からの勧誘まで…といろんな界隈からの意見が寄せられて、つくづく1億人の日本は広くて多様性あるなあと感じるものです。
不思議なのは、常々女性の容姿周りの記事だったりニュースが出れば、いの一番に「不謹慎ざます」と声を荒げる界隈が全くの沈黙であるということ。
寄せられたコメントの中に「今まで男は金、金と言ってたけど、さんざん婚活やったあげく、そんな金を稼げるような男は婚活なんかしてないと分かったから路線変更したのでは?」という意見が複数あった。納得しそうな話だけど、元々の記事にも書いた通り、「金を稼げる奴は大抵容姿もいい」ので、結局同じことです。
表面的に容姿を磨かなくても、今は加工アプリの精度も高まっているのでいくらでもデジタル上は盛ることができる。今でも若干その傾向はあるが、そのうちマッチングアプリに掲出されているプロフィール写真は「盛りすぎて本人ではない」ものだけが羅列されて、互いに会っても「誰だよ?」という事例ばかりになるのではないか?それはそれで、皮肉にも「容姿偏重」の流れからの完全脱却になるかもしれない。
ちなみに、テレ朝の番組の中の街頭インタビューに関するツッコミも相当多かった。
これの新婚1か月の夫婦の嫁さんですが、確かに「私は容姿は気にしない。居心地のよさが大事」的なことを言ってましたが、そう言われた横の旦那がご覧の通り結構なイケメンなんですね。
ま、そういうこと。世の中金じゃないというのは大抵金持ちだし、学歴なんて無意味というのは大抵高学歴と。得られる人は次々と得られる一方で、得られない人は何一つ得られない人生を送るのかもしれない。
明日も1日、お仕事がんばってください。
ちなみに、過去僕が書いた記事でテレビの報道番組にとりあげられ、二度バズりをした記事はかなり多数ありますが、代表的なものは以下です。日本のニュースにかなり貢献している。
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