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インドのアプリ規制に関する中国ネット民のみなさんの声が面白い

6月29日、インドがTikTokやKwai、WeChatなどを含む59の中国系アプリのサービスを禁止しました。

詳細なリストになっているのはこちらですね↓

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これらは全てインドのAndroid市場ランキング100位以内のアプリだそうです。

これについて中国人研究員たちと話したら意外と面白い発見がありました。上位10位内で知っているのはわずか半分。そしてAndroidのみのアプリも多いのです。

この中には海外(特にインド)Onlyのサービスもあります。中国IT大手のByteDaneやテンセント、Kwai、YY、アリババ、UCなど海外事業を積極的に展開している会社には、今回の件での影響が大きいでしょう。

ということで、今日は中国のニュースピックスことZhihuでトレンド上位になっていた議論での、中国ネット民の声を紹介したいと思います。

・実際のところ、現在(6月30日)はTikTokだけがGoogleplayからのダウンロードが禁止された。他の58個はまだ大丈夫です。また、ダウンロード済みのアプリは利用可能。しかもapkによる利用も可能です。もちろん一般利用者にはハードルが高い(あるいは面倒臭い)から影響はあるでしょうが、そこまで深刻ではないのかもしれない
・インド本土のIT会社にある程度チャンスがあるようにも考えられるが、全体からみると難しいでしょう。今回の件での最大の受益者はGoogleとFacebookになるだろう
・今のブロック状況からみてそんなに厳しくはない。単なる政府間の交渉手段になる可能性も十分ある
・IT企業の海外事業はビジネスだから、開発も運営もマーケティングもお金かかる。行政に禁止される以上、新規ユーザーの獲得が難しくなるでしょう。しかも、あまりにも急なので損は大きいかも
・これはアンチグローバル化でしょう。サイバー空間での権力競争は激しくなってきた。ネット封鎖するのは中国だけではないということ
・これでインド本土のアプリが勃興すると思う?それは違うと思う。テンセントや百度がビッグになるのは、GoogleやYoutubeがブロックされただけではなく、基盤建設やソフト開発、ビジネスモデル、マーケティング、など様々なハードルをクリアしたから。10億人規模の人口で、モバイルインターネットの成功経験があるのは中国くらいで、これを簡単にコピペできるとは思えない
・これらのサービス遮断だけでは不十分でしょう。リスト以外のもの、インドのアプリにも中国資本がいっぱい入ってます。例えば、インド最大手のオンライン決済サービスのpaytmにはアリババをはじめとする中国資本が60%、インド最大手のECサイトFlipkartにはテンセントが約10%、インド最大手のホテルやチケットの予約サービスOYOには7%、インド最大手の配車アプリOlaにはテンセントなどの中国資本が10%入ってますよ。それ以外にもたくさんあるでしょう、それらはどうするのでしょうか?
・今回の件でスマホを使っての娯楽に支障が出るのは大丈夫?(自粛などの)今、社会的な不安定にならないか心配
・中国製のテレビをベランダから投げ出すことは、昔日中関係が悪い時期に日本車をボイコットしたことを思い出しますね。自分のお金で買ったのかな...
・コロナで経済が悪化していて、感染症の拡大も抑えられなさそう。今回の件は軍事トラブルというよりは、国内の対立感情の当たり散らしに見えます
・中国をボイコットするって書いてある帽子がMADE IN CHINAって何なの!?笑

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・小米(MI)が早くも店の看板と製品をMADE IN INDIAにしました。仕事速すぎない?
・それなら僕もインドアプリをボイコットするわ!...あれ?でも見つからないわ!
・ボイコットするならアプリだけではなく、スマホもそうしたらどうよ?

ちなみに、TikTokや中国系のスマホがインドでめちゃめちゃ流行っていて、圧倒的な市場シェアを誇っていたことは以前noteで紹介していました。

現実的に中国製品やサービスはあらゆる場面に入りこんでいて、遮断することには難しいことが多いと思います。例えば中国のスマホを追い出したらインドの人たちやっていけないんじゃ?

結局メリットデメリットを判断しながら両国間の交渉に使われていくんでしょう。巻き込まれた企業の担当者(僕の友達も)はご愁傷様ですね。

(参考資料)


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