見出し画像

お疲れ様です。メタバースクリエイターズ若宮です。

今日はメタバースの普及と「日常化」について書きたいとおもいます。


■増えてきたメタバースの活用事例

まず、メタバースの中でも、僕はちゃんとユーザーがついていてこれからも伸びていくのは「ゲームメタバース」か「ソーシャルメタバース」だと考えています。

「ゲームメタバース」とはフォートナイトやRobloxといったゲームのためにユーザーが集まるプラットフォームであり、

「ソーシャルメタバース」は主として人と繋がったりコミュニケーションをすることを目的としたプラットフォームで、代表的なものにVRChatやZEPETOなどがあります。

もちろん、ゲームメタバースにもソーシャルな要素がありますしソーシャルメタバースでもゲームの要素はありますが、どちらが主目的かというところでいったん分類しています。


そして、メタバースクリエイターズとしてより注力しているのはソーシャルメタバースです。


なぜかというと、メタバースが新しい社会として定着しインフラ化するには、やはり「ソーシャル」が中心になると思うからです。


ユースケースの四象限

ソーシャルメタバースでは、ユーザーが世界中から集まり、そこから自発的にコンテンツやイベントが生まれています。また、企業も含めメタバースの活用事例は徐々に増えてきています。

インターネットの黎明期と似ていて、まだこのあたらしいツールをどのように活用するのか模索しながら進んでいる段階です。しかしこうした模索が積み重なりユースケースが多様化することでインフラになっていくのです。


今日は現段階でのメタバースのコンテンツについて、「日常と非日常」を縦軸に、「実用と遊び」を横軸にした四象限で考えてみたいと思います。

①非日常-実用

まず「非日常」のゾーンから考えてみます。

左上が「非日常-実用」の象限です。非日常的かつ実用としては、体験型で学びや知識を得ることが考えられます。

例えば日産さんのバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING」や、京セラさんの技術展示をするワールドのような例ですね。

最近はリアルでも工場見学のような体験コンテンツがありますが、普段はなかなか見られないようなことをメタバースを通じて体験したり知ったりできる、という意味で実用的です。

企業側からするとショールームやギャラリーを高い金額をかけてつくるよりも手軽で、3Dであることでより分かりやすく知ってもらうこともできます。

また、メタバースでの専門家相談のようなものも実用的です。

とはいえ勿論、こうしたコンテンツは毎日楽しみに行くようなありません。その意味で「非日常」です。


②非日常-遊び

「非日常」のコンテンツについて考えるなら、やはりエンタメは外せません。

たとえば、サンリオさんが主催するバーチャルフェスティバル。僕も何度か体験していますが、バーチャルライブはまさに「メタバースならではの体験」という感じです。

歌や音楽に合わせて空間に光の粒子やさまざまなものが現れ飛び交う「パーティクルライブ」では、リアルではできない(もしくはリアルでやるとものすごいお金がかかるような)ド派手な演出が楽しめます。

間違いなくVRやメタバースとエンターテイメントの相性は非常にいいと言えるでしょう。一方で、エンタメコンテンツはその非日常性こそが価値でもあり、驚きや楽しさがあるのですが、それだけでは一過性に終わってしまうところもあります。

非日常のコンテンツはたしかにワクワクしますが、「一回行けばいい」という使い方になりがちで利用者が定着しないところもあります。「すごい!」と絶賛されるようなワールドでも、少し経つと誰もいない、ということになりがちです。


こうした「非日常」コンテンツのみでは「なにか特別なこと」があるときにしかメタバースに入らないことになり、メタバースの利用頻度や滞在時間があがりません。


③日常ー実用

あっと驚くような「すごいコンテンツ」ではなくても、毎日使うコンテンツがあれば、より多くの人がメタバースを日常的に訪れるようになります。

では、「日常」の利用としてはどんなものがありうるでしょうか?

日常側のゾーンでも、「実用」と「遊び」の2つの方向を考えてみることができまます。

「日常」「実用」としては、たとえば語学学習だったり、リハビリやトレーニングのようなものがありうるでしょう。僕自身、メタバースで海外のユーザーと交流を通じて英語でのコミュニケーションの練習をしています。言語だけではなく、海外の文化について学ぶ機会にもなります。

ポイントは毎日継続するということです。


④日常ー遊び

最後に日常的な「遊び」。
VRChatでもたとえばダンスだったりカラオケだったりを日常的に楽しむワールドやコミュニティがあります。バーチャルライブのような「すごい!」という驚きや感動というよりは、日々の楽しみになるものですね。

「日常」という意味では、「ファッション」も重要な要素です。VRChatではアバターの自由度があることと引き換えに、服を着替えるのはなかなか難しいのですが、ZEPETOなどでは「ファッション」がかなり強力なコンテンツとなっています。


こうした日常的な利用が増えれば、メタバースの活用は更に広がるでしょう。PCやインターネットも最初は特別な用途でしか使われなかったけれど、日常化するにつれて利用が加速しました。

メタバースも日常的な用途が増えてくると滞在時間が増え、アクティブな利用者が増えることでソーシャルな意義が増し、普及が加速すると考えます。

日常化がカギだからこそ「コミュニティ」も重要

そして、「実用」的な語学やトレーニングであっても、ダンスやカラオケなどの「遊び」でも、それが「日常化」していくためには「コミュニティ」が重要な役割を果たすでしょう。

ある行動が習慣化し日常化するには、一人ではなく誰かと出会って一緒に活動することが重要です。ですのでメタバースにおいてもコンテンツの創り込み以上にそこでコミュニケーションが生まれる設計とコミュニティ化の工夫が、非常に重要だと僕は考えています。(たとえば広いワールドよりもある程度限られた空間のほうがむしろよかったりしますし、コミュニケーションのきっかけになるギミックが大事だったりします)


「非日常」側のコンテンツ、たとえば企業のショールームやライブなどはコンテンツがすごくてもそれだけだと、ユーザー同士のコミュニケーションが少なく、コミュニティが形成されにくい傾向もあります。一回きりのイベントで終わってしまわないためには、コミュニティ的な要素もちゃんと入れておくことが大事になってくるでしょう。



メタバースクリエイターズ所属のクリエイターもそうですが、メタバース(とくにソーシャルメタバース)にはすでにその中で日常的に過ごす「原住民」がおり、そこから様々なコンテンツやイベントが生まれています。

企業がコンテンツをつくるいく時にはつい「非日常」のすごいコンテンツを考えがちですが、これからはむしろこうした「日常」の手触りを考慮することが大事になってくるでしょう。

VRやメタバースが「驚き」から「日常化」へとシフトし「いつもの」になった時、インターネットもそうだったように、本当の意味でのライフ・インフラになっていくのではないでしょうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?