働く場所、生きる場所。
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働く場所、生きる場所。

伊藤羊一 Voicyパーソナリティ

 この記事を拝読していて、本当にそうだなぁ、と思った。以前は「場所と仕事のパフォーマンスの関係」など、考えたこともなかった。しかし様々な流れの中でどんどん「仕事をするために生きる場所」が変わっていくことで、「場所と仕事のパフォーマンス、生きやすさ」が密接に関係していることを、自身の体験の中で強く感じるようになった。

 僕の生活のベースは、東京都大田区の自宅。15年ほど前に自宅をつくり、それ以来ずっと、ここに住んできた。

 二人の娘が生まれ、自宅近くの小学校に通うことになると、いよいよ生活は固定された。ずっと東京が本社の会社(興銀、プラス、ヤフー)に勤めていたこともあり(転勤で地方に行くこともなく)、今に至っている。

 数年前から、テレワークなるものが少しづつ一般化し始めた。ヤフーでは、2012年くらいよりモバイルIT端末の利用が進み、フレックスタイム制が導入され、”どこでもオフィス”(テレワーク)の月5日までの利用が認められるようになり、テレワークの活用は徐々に進み始めた。

 パソコンとWi-Fiがあればどこでも仕事できるから、僕は前職プラスにいた頃より、ホテルなどオフィスじゃない場所で「ひとり合宿」を行うようになっていった。事務的な打ち合わせやメールのやりとりはなるべく減らし、
「重要だけど、緊急でない」
仕事は、ひとり合宿の場でやると、つまり「場を変える」と、集中するし、より深い成果につながるな、ということを実感していた。

 そして、ヤフーにて社員の新幹線通勤が認められるようになって、地方に住処を移す社員が出てきた。軽井沢や、山梨や、湯沢など、
「東京から新幹線を使えば通勤できる場所」
に移る社員が増えてきた。

 僕も旅行やイベントで東京以外の場所に行くたびに、
「ここで暮らす人生だったらどうだろう?」
と思うことが増えてきた。

 引っ越しをして移住するのではなく、地方住まいを「プチ体験」したいと思った。そこで3-4年前から生まれてきた「ワーケーション(Work+Vacation)」をやってみようと、ひとり合宿にリゾート的要素を少し取り入れ、逗子や軽井沢のリゾートホテルを活用するようにしはじめた。

 ただ、仕事をするうえでは対面での打ち合わせが多く、例えば3泊4日とか、一週間とかといった時間を確保するのはなかなか難しかった。

 そこに2020年新型コロナウィルスの感染拡大が発生した。このパンデミックは、色々なネガティブ要素はあったものの、ことテレワークに関して言えば、対面での打ち合わせがほぼ全てなくなったので、どこに住んでも働けるではないか!と確信を持つにいたった。
 現に、友人たちは、このパンデミックの2年を通じて、どんどん、働きやすい場所に移住し始めている。

 僕自身は、2021年4月より、平日は教育目的で、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の小平学生寮に学生たちと一緒に住んでいる(土日は大田区の自宅に帰る「単身赴任」)ため、住む場所を変えることはできない。

 ただこれはこれで、小平と大田区の「二拠点生活」なのだ。そして「働く場所」となるともっと多様だ。小平寮の自室、自宅近くに借りている私の会社(株)ウェイウェイのオフィスに加え、大学のキャンパス(東京都西東京市)もあるし、ヤフーのオフィス(東京都千代田区)もある。

 さらに、ヤフーでは、WeWorkや東急のシェアオフィスネットワークNew Workのオフィスを契約しており、これらのネットワークが使い放題だったりする。


 さらにさらに、大学の年度が終了し春休みに突入する2月から3月にかけては、小平寮での生活に縛られることもなくなる。だから、この機会を有効に活用しようと、東急の持つ78箇所のホテルが活用できるサブスクの宿泊サービス ”tsugitsugi”に申し込み、「旅するように仕事場を変える」ことにした。

 このような変遷を辿りながら、僕自身は、自分の理想に近づきつつあることを感じる。自分は、住処を特定するのではなく、自身の状況や直面する仕事に応じて、自由に住み、働く場所を決め、変えたいのだ。自分がパフォーマンスを最大化するためには、自分が取り組む複数の仕事の状況に応じて、こまめに働く場所を設定することが、自身のwell-beingにはベストだ、ということを感じる。

 これは、人それぞれの価値観によるところがあるだろう。あとは仕事やプライベートの制約もあるかもしれない。

 ただ、移住するにせよ、旅するように暮らすにせよ、または自宅で仕事をするにせよ、ITの進展、仕事の変化、そしてマネジメントの変化により、僕たち一人ひとりの選択によって自分の生きたいように生きることができる社会になってきたことは間違いない。

 今、働く場所(≒生きる場所)のパラダイムシフトが起きている。この現状を、自らが体験しながら、しっかりと認識しておくことがとても大事だな、と改めて思った次第だ。

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伊藤羊一 Voicyパーソナリティ
Zアカデミア学長(Zホールディングス)/武蔵野大学アントプレナーシップ学部長(武蔵野EMC,2021年4月開設)/株式会社ウェイウェイ代表。著書53万部超の「1分で話せ」(2もあり)「0秒で動け」「1行書くだけ日記」「ブレイクセルフ」「FREE FLAT FUN」など。